なにもかも
>>2
レス禁
1レスで終わるような短いのを
「 ううさむっ 」
ぶるりと肩を震わせひたすら誰もいないような暗い道を一人 。頼りなさ気に灯る街灯の下をかすかす、といわせながらいつの間にか汚れていた通学用シューズで歩いた 。
ゆらゆら揺れる自分の影すら恐ろしく感じるこの夜 、足が余計重く感じた 。
「 はぁぁ 」とため息をふっとついたその時、ぱっ 。
私は光に包まれる 。理解するのに数秒、人を関知して光を灯すライトが私を関知したらしかった 。少しほっとしながらその強い明かりに励まされ一歩、また一歩と歩んだ 。
ふと気づくと大きく葉を繁らせる樹木もある公園が見えていた 。ああもう少しで家だと自身を震い立たせるとぱぁ、と明るくなった心と共に夕飯のいい香りのする家へ急いだ 。
「 なあなあ 、お前って意外と可愛いな 」
「 はあ 、 ? 」
不意にぽつりとつぶやいたアホ面な君の額にでこぴん食らわし、痛がる君をふふっと笑う 。
可愛いとかそういうの言われたこともないし無論、自分には無縁無関係だとも思っていた 。ていうか事実そうだ 。
「 なに 、この前みたえっちなビデオのお姉さんにでも見えたか 」
「 いやいやお前にそんな色気ねーだろ 」
「 埋めるぞ 」
真顔の君は本当に私の気にさわる、触られて痛いとこをついてくる 。色気なんて欠片もないのは自分でも知っているつもりだが君に言われるのだけは本当に嫌だった 。
「 ばっかみたい 、早く帰ろ 」
この話題から目を逸らすようにささっと帰り支度を始める 。
「 .. 待てよ 」
低い声でうつ向きがちに、でもがしりと私の腕を掴んだ君 。
「 何 」
静まりかえる教室が嫌で君を睨む 。でも君は私の腕を離さない 。さっきまでこんな雰囲気じゃなかったのにと悲鳴をあげたくなる 。こういうのむず痒い 。だいたい君が私に特別な感情抱いてるってことは知ってたつもりだった 。つもりで終わらせたかった 。
私は君の気持ちに応えてあげられないから 。
「 好き 」の「 す 」さえ言わせずに私は言う 。
「 ごめん 」
私じゃ、君を不幸にするだけだから 。
幸せにする自信なんて欠片もないから 。
だから、だから
「 さようなら 」
「 なにみてんの 」
唐突に上から降ってきた声に驚いて見上げるとそこには冷めた表情のあいつが 。
「 別に 」
「 まーた佐藤さんのことみてんの ?? .. 諦め悪いねぇ 」
「 うるっせーな 」
鬱陶しそうに手でしっしと追い払うがそんな俺をものともせずまひろは言う 。
「 まじ、みてるこっちがいらいらすんだよ 。
いい加減諦めろよ 」
本気( マジ )な顔で言われ、ぐっと言葉に詰まるがそれでもなんとか口を開きまひろにいい放つ 。
「 だぁかぁらぁ、余計なお世話だっつってんだよッッ !!
お前はいいよなぁ、期待ばっかりさせて告白されて .. 振るんだもんなぁ !! 」
俺の口は一度言い出したら止まらない 。
「 お前がいつもへらへら笑ってるから期待する奴が出てきて悲しむ奴が増えるんだよ !!
俺、知ってんだよ 。佐藤がお前に告ったこと !! 」
「 は .. 、それ誤解っ 」
「 誤解 ?? 何がだよッ !!
放課後見たんだよ、この目で佐藤がお前に好きですって言うところッ !! 」
俺は少し前に見てしまった事実を信じたくなかった 、だから知らない振りを続けた 。
俺が悪いのはわかってるのにまひろに無性に腹が立った 。
「 茜っ、聞けよっ 」
ガタンと派手な音が響く 。
「 .. おいおいやめろよ、
俺男に壁ドンとかされたくねーって .. 」
俺は、俗に言う壁ドンという奴をまひろからされていた 。
ロッカーに押し付けられた腕のせいで身動きがとれずぐいぐいと肩をつかいなんとかこの状況を回避しようと試みる 。
しかし太くはないにせよがっちりとしたまひろの腕に俺の貧弱な体が叶うわけなく 。あえなく俺は抵抗をやめた 。それと同時に、ここに誰もやってこないよう祈った 。
「 俺は佐藤さんから告白されてねぇの、ただ練習に付き合ってほしいって言われただけ 」
「 .. れん、しゅ ?? 」
「 そ 。告白の予行練習 。お前と一番仲良い俺に頼んできたんだよ 」
「 .. ふーん 。
ってええっ !?この流れでいくと俺と佐藤さん両想いなんだけどっ !?えっ !? 」
「 まあそういうこと 」
淡々というまひろを抱き締めたくなるくらい俺は嬉しかった 。
だから気づいてなかった、
まひろの本心に 。
上のはくそ
▽( bl要素含みます、メインではないです )
「 くしゅんっ 」
隣の君が口を手で抑え、なんとも可愛らしい嚔をした 。君って、男の子だよね、ね 。
「 なにそれ乙女かよ 」
「 はぁ、? 」
なんてことないいつものやり取りが、私たちの平凡な毎日 。 .. まあ、私たちの関係は普通とは少し違うのかもしれないけど 。
「 おっはよ 」
後ろから声がしたと振り向けば、そこにはイケメン王子様が 。イケメン王子がこっちへきた途端、隣の乙女くんはぱああと顔を輝かせる 。
「 おはよっ、今日もかっこいいね 」
「 お前こそ今日も可愛いじゃん 」
「 リア充、爆ぜろや 」
イケメン王子が発した、可愛いという言葉は私に向けられたのではなく、あの乙女くんへ向けての言葉だったのは言うまでもない 。見てわかる通り、この二人は付き合っている 。
「 なんかこの人が僕のこと睨んでくるー、こわぁい 」
「 .. お前顔ぶっさいよ、 」
「 死にたいならちゃんとそういいなよ ?? 」
棒読みの乙女くんにデリカシーの欠片もない“顔だけ”王子も本当に憎たらしい 。
が 。
私がこんな奴等と行動を共にするのにはとある理由があった 。
それは ..
「 今日もよっろしく 」
「 おーけー 」
ここには私たち以外誰もいない 。私の声を合図に服に手をかけ出す王子くん 。
お 察 し の 通 り 、 私 は 腐 女 子 な の だ 。
たまたま二人の関係を知ってしまった私は二人がひとつになる瞬間を見せろとせがんだのだ 。
それがこの結果 。
今日も毎日が平和です( 完 )
( 妄想 )
一ヶ月前のわたしい !!
変な妄想はおやめ!!
「 好きだよ 」
「 っ .. 俺も 」
ぎりりと腕に力を込められるのがわかる 、正直痛いからやめてほしい 。
「 あの 、さ 」
「 なーに 」
首をこてんとさせ 、にこりと笑うあいつはやっぱりかっこいい 。けど怖い 。
「 腕が 、痛いかも 」
恐る恐る言ってみる 。しかし腕には力が込められたまま 。いや 、本当に痛いから緩めて 。
「 そうなんだ 」
いやいやそうなんだって言ってほしいんじゃないからね 。離してって意味だよ 、わざわざ遠回しに言ったんだよ気づけばか
「 .. ちゃんとさあ 、?してほしいこと言わないと 」
ぽつりとあいつが言う 。 にやりと笑うその顔はやっぱりかっこいい 。イケメンってずるいよなあ 、なんて無意味なことを思う 。このイケメンからの愛は俺が独り占めしているわけだから 。
「 あーうん 、腕痛いか 」
いいかけた時にぷちゅ 、と重なる唇 。
いけない 、そう思った時にはもう遅かったらしい 。
侵入してくる舌から逃れられず俺はひたすらもがく 。
「 .. っ 、やめろ 」
「 顔 、赤いねえ 」
うるさいなあ 、んなこといきなりされてみろ平常心で入れる方が可笑しいっての 。
「 好きだよ 、 __のことが 」
「 俺もだよ 」
ぎゅっと抱きしめられる 。俺も抱きしめ返す 。
彼奴は俺のことを愛していた
じゃらりと固い金属音が響くこの部屋で 。
「 捕まれた腕は痛いまま 」
あああ思いっきりbl注意です
男の子がかんきんされてるって話
愛してるって言わないと殺されるとか殺されないとか
「 ばいばい 」
そういって消えたのは 、
__「 もう忘れてる 」
きらきらって朝日が輝くらしいけど今日は曇り 。曇りは暑くないから私は好きだな 。ああそういえば今日はあっちゃんとみーことプールに行くんだっけ 。はやく準備しなきゃ 、そうだ新しい水着だ 。多分これでいいはずよね 。なにも忘れてないはず 。忘れてないはず 、ないはず 。
「 忘れてるはずないのに 」
なにか忘れてる
「 まっかっか 。大丈夫 ? 」
赤い姿の汚い俺を見て一声 。
心配そうに 、真っ白な汚れのないレースのハンカチでぽんぽんと俺の汚れを落とそうとした 。
落ちるわけないじゃん 、汚れるよ 。君まで 。
「 .. やめ 、 」
「 落ちないなあ .. ? 」
俺の声を遮るように君は言う 。そんな顔するな 、俺のことを見るな 。俺に触るな 。君にだけは触れてほしくない 。
そんな俺の願い虚しく君はよいしょ 、と立ち上がると俺に手を差し出した 。
「 シャワー浴びよっか 、私の家おいで 」
「 .. 行かない 」
差し出された君の小さな手を振り払った 。そして驚いた表情の君の横を通りすぎた 。
「 ま 、待って 」
慌ててぱたぱたと駆け寄ってきた君を無視してずんずん進む 。
「 待ってってば 、 」
ぐい 、と袖を掴まれた 。そんな君の手は少し震えていた 。怯えたように 。
「 お前に 、関係ない 」
俺は言った 。君は手を離した 。そして多分泣いていた 。
なんだよ 、こんなことで泣くなんて 。なんて脆いんだよ 。か弱いんだよ 、泣くなよ 。
「 まっ .. てよ 」
消え入りそうな君の声 、聞こえないふりして俺は歩いた 。
誰もいない夜の道を 、
○月◎日
好きだった 、なによりも 。
本当に好きだった 、誰よりも 。
永遠に続くと思っていた 、本当に 。
好きで 、好きで 、苦しかった 。
◎月◆日
クラスが離れて数ヵ月 、私はa君が好きだった 。変わらず好きだった 。
b君は話していると楽しかった 。
▲月□日
いつの日か 、b君を好きだった 。a君も好きだった 、別れたくなかった 。a君の方が好きだった 。
★月▽日
どうしよう 。b君の方が好きになった 。a君とは別れたくなかった 。どうしようもなくb君が好きでしかたなかった 。何もかもが愛おしかった 。
b君の 、声も 、放つ言葉も 、ぶらぶらさせている足も 、控えめにあげる手も 、本当に好きだった 。
×月×日
私は最低だと気づいた 。
「 好きだよ 」
「 .. 本気 ? 」
「 んふ 、冗談だよ 」
「 ばーか 」
へらへら笑う彼奴はやっぱり気に入らない 。なんかむかつくから一発ぼこんとかましておく 。もちろん少々弱気で 。少々 。
「 あっれ 、里咲ちゃん期待しちゃったのかな 」
「 してねーよ 、黙ればか 」
名前で呼ばれるのが嫌いな私はたちまち不機嫌に 。いや 、さっきのあのやり取りをしてからもう不機嫌だった 、と思う 。
口悪いなあ 、黙ってればかわいーのに そうつぶやく彼奴をちらり 。そっか 、私かわいいのかなんて素直に喜んでる私の方が馬鹿みたいだ 。こんなこと世界中の誰にだって言うような奴だぞ彼奴は 。自惚れるな 、 私 。
「 ねえねえ 」
つん 、と私の頬を指でつっついた彼奴は言った 。
「 俺 、好きな人がいる」
「 好きだよ 」
「 .. 本気 ? 」
「 んふ 、冗談だよ 」
「 ばーか 」
へらへら笑う彼奴はやっぱり気に入らない 。なんかむかつくから一発ぼこんとかましておく 。もちろん少々弱気で 。少々 。
「 あっれ 、里咲ちゃん期待しちゃったのかな 」
「 してねーよ 、黙ればか 」
名前で呼ばれるのが嫌いな私はたちまち不機嫌に 。いや 、さっきのあのやり取りをしてからもう不機嫌だった 、と思う 。
口悪いなあ 、黙ってればかわいーのに そうつぶやく彼奴をちらり 。そっか 、私かわいいのかなんて素直に喜んでる私の方が馬鹿みたいだ 。こんなこと世界中の誰にだって言うような奴だぞ彼奴は 。自惚れるな 、 私 。
「 ねえねえ 」
つん 、と私の頬を指でつっついた彼奴は言った 。
「 俺 、好きな人がいる 」
好きだなんて思ったのがいけなかった 。抑えきれずに飛び出した言葉が私の口に戻ってくるなんてあるはずないし 、はたまた時よ戻れなんてどこかのファンタジー小説じゃあるまいし 、戻るわけもない 。
ああやばい 、まさしく今だ 。
「 す 、き ? 」
「 違うよ 」
「 何が違うの ? 」
「 最初から全部 」
「 どういうこと ? 」
私が間違っていて私が悪かった 。禁断の恋 、というような綺麗な美しい想いではないし消さないといけない想いだった 。
ましてや人にぽろりと言ってもいいことじゃなかった 、それを制御出来ない私はなんなのだろう 。なんて馬鹿なのだろうか 。自分でも呆れる 。
「 なんでもないよ 、気にしないで 」
「 好きって誰への ? 」
真っ直ぐ此方を見る少年はきっと私の気持ちに薄々気づいているのだろう 。私が付き合っている人がいるのに少年を好きになってしまったことに 。
「 .. 誰だろうね 」
もうわからない 、自分でもわからなかった 。
「 俺にじゃないの 」
ぽつりとつぶやいた少年の声ははっきりと私に聞こえた 。
聞こえてはならなかった 、頷いてはいけなかった 、反応してはいけなかった
「 そうかもね 」
溢れたのはきっと 、涙と言葉と罪悪感
やめてやめて 、私に構うのは 。
どうせ私のこと好きになんてならないし振り向いてくれないんだから 。
お願いだから私に近づかない
で 。
「 ここってどうやんの 」
彼が指差した問題は応用でひっかけがあるため少々難しかった 。しかし運良く今は数学の問題 。私は数学が得意だった 。
彼の質問にすらりと答えると自分の課題へと向き直る 。
「 あっとけた 、ありがとー 」
ぱあ 、と顔を輝かせた彼はにかりと笑った 。その度に疼く胸を必死で抑え笑みを張り付ける 。
バレてはいけない 、気づかれてはいけない 。何があっても 。
切っても切れないこの腐れ縁 、というやつは厄介だ 。彼をただの幼馴染みなんて目で見ることが出来なくなってしまうから 。もうとうの昔に見ていないけれど 。
私にはもうなにもない 。彼から求められることがなによりの希望 。きっとそう 、
「 痛いッ .. 」
「 っふふ .. 痛がってるその顔もすごく 、そそる 」
ぎりりと強く結ばれた縄は私と無機質な鉄の柱を繋いでいた 。激しい痛みが手首を襲う 。この痛みをどうにかしようと苦肉の策で痛いと言ってみるものの逆効果 、という奴だ 。
助けてと叫んでも誰にも聞こえないような場所にきっと私はいる 。だからそんな意味のないことはしない 。
「 ねえ 、お願いッ .. すこし緩めて .. ? 」
精一杯の上目使いもにやりと笑い 、息を荒くする君には効果無しのようだった 。
「 あぁかわいいよ .. 俺だけのモノ .. ほらもっとその顔見せてよ .. 俺だけに 、俺だけにさぁ .. 」
ぐい 、と顎を捕まれる 。君の顔がすぐそばにあることに恐怖を覚える 。離して 、ただそれだけなのに何故か声が出なかった 。
「 好きだよ .. 愛してるよ .. 」
徐々に近づいてくる君の顔 。抵抗しない私 。もう仕方なかった 。 私は目を閉じて 、君に体を委ねた 。
甘い甘い 、気持ち悪いくらい甘い 。
こんなどろどろな愛欲しくなかった 、甘過ぎる 。
「 なぁに ? 」
放課後 、私と君しかいない教室 。君は可愛らしく首をこてんと曲げた 。
「 えっと 、 ね 」
かわいいかわいいかわいい 。今すぐ私のものにしたい 。かわいすぎて気持ち悪い 。
「 なになに 、気になるじゃん 」
笑いながら此方を見据える君にどきりと胸が高鳴る 。
この際もう言ってしまおうか 。いや 、君を失うかもしれないリスクを考えたらそんな無謀なことはしない方が身のためだった 。
「 あー 、じゃあさ 」
「 うん ? 」
やっと話してくれる気になったのか 、そういった表情の君は嬉しそうに頷いた 。
「 もし私が好きだよって言ったら 、どうする ? 」
私は訪ねた 。
いい答えが返ってくるなんてもちろん思ってないし 、信じてもらえないのもわかっていた 。ただ 、好きが溢れそうで 、甘かった 。
「 突然何を言い出すかと思ったらそれ ?
ふふ 、私は***ちゃんのこと好きだよ ? 」
ほうら 、わかってないでしょう ?私が本気だなんて君が察せるほど簡単な問題じゃないわけだし 。
はにかむ君はかわいい 、かわいい 、すごく好きだ 。
ああもう愛しい 、すごく愛しい 。
甘い甘い甘い 、苦い 。
「 先輩はさぁ 、これからどうするとか決めてるんですかぁ 」
椅子に持たれかかり此方を見てくる君の、語尾を伸ばす話し方や少し冷たく見えるその視線にもようやく慣れてきた 。
「 私 ?んー 、特になんにも 。
君と一緒にいれるならどこでもいいやってひたすらに頑張ってるからさ 」
後輩の癖に私より頭が良くて志望校ももう決まってるような君に追い付きたくて 、
でもきっと私は君といることなんて出来ない 。なんて言わないけど
「 おれが先輩に教えてあげますよぉ 」
「 .. 何を ? 」
「 何をってやだなぁ 、勉強に決まってるじゃないですかぁ
もしかしていやらしいこと考えたんですかぁっ 、? 先輩のえっち 」
「 はぁ ? 」
いきなりにやにやし出す君をぎろりと睨んだ 。きゃあ怖いなんて笑う君につられて私も思わず笑みが溢れた。
「 .. 先輩 、好きですよ
」
ぽつりとつぶやいた君は 、私への愛を証明するようにも
私からの愛を求めているようにも思えた 。
とある漫画のカプが好きすぎるので妄想 ▽ NL
突然のことだった 。
君が僕の前に現れてから 、おかしくなった 。
愛だの恋だの興味なかった 。どうせよく知りもしないで少し顔がいいから近寄ってきただけなんだ 。
女なんてそんなものだとわかってからは簡単だった 。
にこにこ笑顔振り撒いとけば自然と女は近寄ってくるし
なんて単純なのだろうか 。単純過ぎて笑えない 。
「 なにもかも簡単じゃん 」
楽しかった筈なのに楽しくなかった 。
つまらなかった 。なにもかもが 。
君に声をかけられるまでは 。
「 時田 、時田 、時田 」
君が名前を呼んでくれるだけでこんなにも嬉しいし
笑った顔を見るだけで本当に幸せだし 、
こんな気持ちはじめてだった 。
「 僕 、トモさんが好きです 」
曖昧に彼女は頷いた 。
「 うぅん、? 」
頷いた 、というより首をかしげたというのが正しいかもしれない 。
きっと僕が言ったことが理解できなかったのだろう 。まあ 、最初から伝わるなんて思っていない訳だけど 。
僕は彼女を美しい被写体としてしか見ていなかった 。
彼女は彼女で特になにも考えず僕のために椅子に何時間も座ってくれているのだろう 。
__彼女は儚かった 。透明で繊細で 、さわったら壊れちゃうんじゃないか 。そう錯覚してしまうほど脆かった 。
貴社な体に白い肌 。さらさらとした細い髪の毛 。なにもかも純粋で 、美しかった 。
美し過ぎて 、人形なんじゃないかと疑ってしまうほどに 。
彼女を初めて抱き締めたのはついこの前のことだった 。
雨の中 、なにをみるわけでもなく歩道橋にたっていた 。
彼女が何を見ていたのか 、何をしていたのかは知りたくなかった 。知ろうとしなかった 。
ただ 、今にも崩れ落ちそうな彼女をそっと抱き締めた 。
「 気持ち悪い 」
受け入れなかった 、受け入れたくなかった 。
「 なによりも好きだよ 」
「 ずっと好きだよ 」
「 君しか見えないよ 」
甘くて 、甘くて 、見えてなかったらしい 。
「 ありがとう 、私もすき 」
私は愚かだ 、
薄々気づいていたんじゃないか 、真実の愛がないことに 。
彼が私を見ていないことに 。
気づきたくなかった 、このままでいたかった 。
今にも切れてしまいそうな脆い糸のような関係でも繋いでいたかった 。
それだけが願いだった 。
「 気持ち悪い 、ッ 」
こんなにも容易く 、切れてしまうものなのね
さむい 、ぶるりと震えた
無償に誰かに抱き締めてほしかった
言うなら誰でもよかった
.感じる体温も吐息もなにもかも嫌いだった
しかし寒くて冷える体を暖めてほしかった 、
矛盾しているのは自分でもわかっていた 、けど寒くて寂しかった 。
『愛してほしかった』
.手を繋いで温もりを感じた 、
心地良いと感じた 、その手を話したくなかった
寒いとは思わなかった
『愛していた』
放課後 、僕は君に問う 。
「 一人で楽しいの 」
***
彼女はいつも一人だった 。うるさいこの教室でも 、騒がしい廊下でも 、寂しい帰り道も 。
彼女の背中はいつも 、誰かを待っているように思えた 。誰も隣にいない猫背な君は透明だと思った 。
いつしか消えてしまうのではないか 、そう考えてしまうほどに 。
「 あ 、 」
「 .. 」
僕と彼女しかいない教室 、外から聞こえる蝉の声 。うるさいとは思わなかった 。じわりと汗が頬を伝う 。君は立ち上がった 。
そして僕の横を通り抜けた 。さらさらした髪が揺れた 。細い腕が見えた 。僕は掴んだ 。
「 一人で楽しいの 」
自分でもわけがわからなかった 。 何故こんなことを聞いたのか 、意味がわからない 。
だが 、彼女は僕を見ていた 。長い髪の隙間から見える瞳が輝いてみえた 。
「 らくだよ 、一人でいると 」
君は楽だと言った 。
好きなわけない 、好きなわけない
そう思わないと自分が壊れそうで痛かった
いつも君を見ていた 、
君が教室に入る瞬間 、嬉しそうな横顔 、挨拶を交わすときに見せる笑顔 。
全て輝いてみえたし 、好きだと思えた 。君と一生を共にしたいとまで思った 。けど
現実が甘くないことを知った 。
君はあの子が好きで 、きっとあの子も好きで 。君とあの子が話すだけで醜い感情がわたしの中を駆け巡った 。
「わたしのものなんだよだれにもとられたくないちかよるなきえてしまえおまえなんかだいきらいだわたしのじゃまをするな!!!!!!!!」
わたしはみにくいときづいていました
君は顔に出やすい
「 なあ三組の山田と別れたってほんと ? 」
「 どうでしょう 」
「 どっちが別れようって言ったの ? 」
「 さあ 」
「 ふーん 、山田か 」
「 あのさあ 、当たり前のようにわたしの心読むのやめてくれない 」
わたしだって傷ついてるんだぞ 、ととてもそうは思えないように笑う 。
「 好きだったの ? 」
「 まあね 」
君は隠すことをやめたように 、恥ずかしそうに言った 。そこがまた可愛らしかった 。
「 今は好きな人とか 」
「 いるわけないじゃん !?!? 」
俺の言葉を遮るように早口で捲し立てた君 。顔にかいてある 。『 好きな人いまぁす 』
「 えーだれだれ 、このクラス ? 」
「 ちっ 、違うし 」
「 えっ誰だろ 、川井 ? 佐々木 ? 」
いくつかの男子生徒の名前を出すがこれといって変な反応はしない 。
「 あ 、もしかして俺 ? 」
冗談混じりに 、否 冗談のつもりでぽろりと言った 。
君は慌てた 。
「 はっ 、はぁぁ ??? そ 、そそそそそんなわけないじゃない 」
さむいさむいさむい 、誰かに暖めてほしい
心のそこから冷えきる前に
***
「 好きです 」
ろくに話したこともない彼女からの突然の告白は 、人生の負け組としてひっそり生きてきた俺の心を激しく揺さぶった 。どうして 、なぜという疑問の前に俺に痛いくらい刺さるクラスメイトの視線をどうにかしたかった。
「 えーっと 、ありがと、う? 」
とりあえずお礼だけを言って彼女から目を反らした 。なんなんだ 、これは罰ゲームかなにかで俺に告白しているんだろうか 。きっとそうに違いない 。
「 好きだから 、付き合ってよ 」
彼女は俺の顔をぐい 、と自分の方へ引き寄せた 。なんなんだ 、一体何が起きている 。
彼女の白くて細い指が俺の顔をつかんで持ち上げている 。そして大きくてぱっちりとした目が俺を見つめている 。女子に耐性がない俺がこんな至近距離で見つめられたらあっという間におかしくなってしまう 。俺は慌てて彼女を引き剥がした 。
「 .. なにかの罰ゲーム? 」
俺は問いかけた 。
彼女は俺を見つめて 、首を横に振った 。
***
「 あなたなら私を愛して暖めてくれるって 、そう思ったの 」
後々彼女は言った 。
聞きたくなかった 、
***
「 山田ね 、二組の添田さんのこと好きらしいよ 」
「 ふうん 」
聞きたくない噂話もなにもかも 、全部聞こえてきてしまう
「 添田さんも山田のこと好きっぽいし 、付き合っちゃうのかなぁ 」
「 さぁ 、 」
興味ないフリ 、知らないフリ 。なんとなく泣きたくなるのを堪えてスマホから目を離さずにいる 。
頭がおかしい 、ぐらぐらする 。それに目頭も熱い 。もうだめだ 、
「 ごめんちょっとトイレ 」
***
聞きたくなかった 、聞きたくなかった 、聞きたくなかった
それが真実か嘘かなんてどうでもいい 、ただ嘘でもいいからわたしへ好きといってほしかった
ただ 、君のことが好きだった
「 好きだよ 」
そう言いながら彼女の頬を伝う滴に目を奪われていた 。何もかもスローモーションのようにゆっくりと動いてみえた 。
待って 、そう言う前に不思議なスローモーションの時間は終わっていて彼女は駆け出していた 。
僕は必死でそのあとを追った 。追い付けないのはわかりきっていることだ 。だけど彼女のその寂しそうな背中を追いかけずにはいられなかった 。
「 待って 、行かないで 」
我ながらなんて女々しい言葉だろう 、息も安定していないし汗や涙やらで顔はぐちょぐちょだしもう最悪だ 。かっこ悪すぎる 。
だけど彼女は好きと言ってくれた 、こんな僕を 。
「 行かないで 、お願い 」
力の限り叫んだ 。喉が裂ける思いで人目気にせず叫び続けた 。
必死に走っていた僕は呆気なく転んだ 。小さな石ころなんかにつまづいて 。本当にダサい 。
そしてさらに最悪なことに足を今の衝撃で挫いてしまったようだった 。
本当に僕は僕が嫌いだ 。
そして 、彼女は優しかった 。
「 .. 大丈夫 ? 」
揺れるカーテン 、さらりと流れる君の髪 、なにもかもゆっくりだった 。
だけど僕の心臓はどくどくと激しく動いていた 、君はそんな僕を見て笑っていた 。
「 照れてくれた?嬉しいな 」
「 そん、なんじゃねえし 」
「 うふふ 」
君はくすくすと笑った 。そして僕を見た 。
君の瞳に吸い込まれそうになってあわてて目を剃らす 。
「 大好きだよ 」
君は僕の心を見透かしたようにつぶやいた 。
「 別れたい 」
そう言ったきみの瞳は
真っ直ぐにわたしを見つめていた。
はじめて話した時から今までずっと好きだった。
きみと笑いあった日々も泣きそうに嬉しかったときも付き合うことになったあの日も 、全部全部愛していた
きみと付き合うことで得られた満足感 、いつもいつもきみのことを考えるだけで幸せだった
別れるなんて1ミリも頭になかった
『これは嘘だよって笑って言ってよ 、なんでそんなに思い詰めた表情で言うの 、はやく嘘っていってよ』
頭が真っ白で考えることを拒否して 、わたしの崩れかかった心を守ってくれた。
わたしは何もできなかった
曖昧に頷いて
きっと泣いているような笑みをうかべて
「 わかった 」って 、立ち去ったんだと思う
「 君なんて大嫌いだ 、はやくわたしの前から消えてよ 」
それは本心ではないとわたしの頬をつたう大粒の涙が教えてくれた 。
けど 、口から出てしまった言葉というのはもとに戻らない 。
「 わかった 」
君は薄く笑うとわたしの横を通り抜けた 。
彼の笑みはいつも通り 、わたしのことを少し小馬鹿にしたような 、そんな笑みだった 。“いつも通り”だったはずなのに 、少し 、ほんの少しだけ泣いているように思えた 。
君がわたしの前から消えることはわたしが望んだことなのに 、残ったのはわたしのすすり泣く声と君の去っていった微かに残る足跡
そして 、君を失ったという絶望感
「 きみが自ら望んで消えてほしいと言ったじゃないか ?
なのに今更後悔して戻ってきてほしいなんてきみは矛盾してるよ 」
そう言ってまたわたしの頭を撫でて抱き締めてほしい
きみのことが世界一大嫌いで世界一愛おしい 、
こんなの誰も幸せになんてならないってわかっていながらも愛していた
「 ちょっといいか 」
強ばった面持ちでサトウは僕を呼んだ 。いつもみたいなにやついた笑みは消え失せ 、苦痛すら感じさせるこの表情に僕は激しく動揺した 。
いつも笑顔を絶やさないサトウがこんな表情をしているなんておかしい 、きっと何か嫌なことがあったんだ 。こういう時こそ気のきいたことを言って励ますのが友達の役目だろう 。
僕はサトウに頷き微笑んだ 。
▽
胸が高鳴る 、呼吸さえうまく出来ていない気がする 。
ゴトウに嫌われでもしたらもう生きていけない程ショックを受けるだろうと思いながらも 、きっとゴトウは優しいから受け入れてくれる . そう思う汚い自分にも嫌気がさす 。
そんな汚い自分を抱えたまま俺は足を止めた 。
「 どうしたんだよ 、 」
ぱたりと歩くのをやめた俺を不審そうにゴトウは見つめた 。俺は息を吸った 。
「 あ 、のさ 」
いざとなると言葉が詰まり 、何も出てこない 。
決めたじゃんか 、ここでゴトウへの思いを伝えるって 。突き放されるかもしれない 、けどこのままいい友達でいるのは無理だ 。
「 何でも聞くよ 、僕たち友達だろ ? 」
ゴトウが笑って言った 。その瞬間俺は現実に引き戻された 。
そうだ 、俺とゴトウは友達なんだ 。それ以上でも以下でもない 、この関係を保っていかないといけないんだ 。なのに自ら望んで壊すなんて馬鹿らしい 。
俺は手をズボンのポッケにつっこんだ 。
「 えーっとさ 、俺 」
▽
サトウはよく嘘をつく 。そして嘘をつくときは必ず手をポケットに入れる 。
今サトウは笑いながら彼女ができた 、なんて言っている 。もちろん嘘に決まっている 。長年一緒にいた僕を騙そうときているのか 、全く僕もなめられたもんだ 。
「 嘘つくなよ 、サトウはわかりやすいんだよ 」
じっと僕はサトウを見つめた 。
サトウは観念したように口を開いた 。
▽▽▽
「 じゃあ 、聞くけどもし俺がお前を好きって言ったらどうする? 」
△△
「 忘れるんだよ 」
「 無理に決まってる 、嫌だよ 」
「 だけど 、忘れないと 」
「 無理だよ!!!! 」
わたしはきみの胸に顔を埋めた 。きみは優しく頭を撫でてくれた 。離れたくなくて 、この温もりを逃したくなくてぎゅっと服をつかんだ 。
「 じゃあ僕ときみの最後のキスをしよう 」
きみはわたしを強く抱き締めた 、そしてわたしの頬に手を添えた 。
わたしは涙に濡れた顔のまま 、嫌だという風に首を横に何度も振った 。涙がとどめなく溢れてどうしようもなかった 。
「 嫌だよ 、離れたくないよ 」
きみが大好きなんだよ 、そう言う前にきみは微笑んでわたしに口付けた 。
微かに「 愛してる 」 、そう聞こえた気がした 。
▽▽▽
>>11
△△△
「 今なんて .. ? 」
「 なんにも言ってないよ 」
わたしの口からぽろりと漏れた言葉はきっときみがきちんと拾っていた 。その証拠にわたしを驚いたように見てる 。隠しきれる 、隠さないといけない 、そうやって必死に押しとどめてきた想いも溢れ出して歯止めがきかなくなった 。本当に馬鹿らしい 、
「 気のせいじゃなさそうなんだけど 、おれのこと好きって 」
戸惑ったようにきみはわたしを見つめる 。その表情もなにもかも愛おしかった 。
「 好きじゃないよ 、もうこの話終わりにしよう 」
わたしはきみを見つめ返してそう言った 。溢れる感情をなにもかも消し去りたかった 。今すぐ愛しの彼の厚い胸板へ飛び込んで大きながっちりとした腕や手で受け止められたかった 。そして大丈夫だよって低い声で囁かれたかった 。きみは貧弱な体に高い声 、彼とはまるで正反対だった 。少し触ったら崩れてしまうんじゃないか 、彼が持ってないその儚さにきっとわたしは魅了された 。
彼はわたしを頭からつま先まで全てを愛してくれる 。けどきみはわたしのことをこれっぽっちも愛していない 。どちらかを選べなんて言われたら彼を選ぶに決まってる 。きみを選んだってなにも待ってないって分かってたはずなのに 、
溢れた言葉と感情はとどまることを知らない
「 なあ 、見てみろよ 」
きみは夜空に光る星々を指差し笑った 。俺はそんなきみしか見えていなかった 。きみの笑った顔はなんて綺麗なんだろう 、
「 おーい 、行くぞ 」
俺はまだ準備の終わっていないあいつに声をかけた 。 わたわたしているあいつは本当にかわいらしく 、愛らしかった 。
そして準備が終わったようで俺の方へ駆け寄ってにかりと笑った 。
「 なあお前明日提出の課題やってる ? 」
突然の質問に少し驚くが頷いて返す 。多分こいつは終わってないんだ 。だから俺に見せてと頼もうとしている 、俺はお前のことならなんでもわかってる 。ほら 、はやく俺に見せてって頼めよ 。
俺は微笑んでそっちはどうなのかと聞いた 。
「 おれ終わってねぇんだよな 〜、だから見せてくんね ? 」
たははーと笑うこいつをやっぱりかわいい 。こいつのことならなんでも知ってるという満足感に満たされ幸せな気分でおれは頷いた 。
やっぱりこいつのことをわかっていられるのは俺だけだ
まじで没 >>39
「 好きな人が出来た 」
つぶやくようにきみは言った 。わたしはちらりと彼女を見て 、よかったねなんて思ってないことを吐き出して笑った 。
こんなにもつらいなんて思ってなかった 。
彼女が好きなのは四組の山田とかいう奴らしい 。明るくて人気者で 、少女漫画でいう王子様的ポジションの彼は彼女持ちだ 。
きみはいつも笑っていた 。山田が彼女と笑おうが何をしようが 。
「 山田くんがね 、幸せならわたしも嬉しいの 」
そんな綺麗事どうせ通用しないのに 。きみはいつも嬉しそうだった 。そして 、そんなきみを見ているのがとんでもなくつらかった 。
どうして私じゃだめなのか 、いつも一緒にいて 、いつも笑って 、きみのことを何でも知ってる私より 、なんで彼奴なんだ 。
そんな問いの答えなんてわかりきっていた 。
私たちが同性だからだ 。私はきみが喜ぶことならなんでもするし 、一生をきみに捧げてもいいとまで思っている 。
それほど、性別なんか関係無くきみを 、愛している
「 好きだよ 、だから離れないでね 」
泣きそうなきみは笑って言った 。
きっと僕はその時きみをそっと抱き締めていた、と思う 。
きっかけは単純だった 。
きみは僕が好きで 、交際を申し込んできて 、僕が断る理由なんてなくて 、付き合って 。
なんてことない一連の流れに不満さえも抱かなかった 。
きっと僕もきみのこと好きになってたんだと今更ながら思う 。
好きだと気づくのが遅すぎた 。きっとそうなんだ 。もっと早くにきみを愛せていたら、こんな未来は
「 変わっていたかもしれないね 」