「なぁ」
それが自分に向けられた言葉だと理解するのに、数秒かかった。
後ろを振り向き、彼に近付く。
「どうしたの」
彼は一呼吸おいて、口を開いた。
「目、見せてくれ」
………目?
「私の、目?」
「おう」
いいよ、と言うと、大きく暖かい彼の掌が頬に触れる。
下まぶたを親指で軽く下げ、目が開く。
「………だいぶ濁っちまったな」
「…うん」
静かに手を離す。手が離れた頬を、冷たい風が撫でた。
「おーい××!ちょっとこっち来てくれ!」
「あ、呼ばれた…じゃあ、また」
「…おう」
壁に手を当て、声のした方向へ歩いて行く。
“自分のせいで私が目を失ったんだ”、と未だに自分を攻め続ける彼を背に。
─盲目少女のお話─
>>2のオリキャラの設定〜
*黒樺 乱荼 クロカバ ランダ
♂ 23歳
真尋の幼馴染み。喧嘩っ早い。喧嘩で負かした奴らから恨まれている。
*藍柄 真尋 アイガラ マヒロ
♀ 21歳
乱荼の幼馴染み。クール。乱荼に負けた奴らから度々狙われている。
乱荼くんの元ネタとなったキャラは最推し。
>>2は、乱荼くんに負けたチンピラ達に失明させられた真尋ちゃんのお話。
盲目少女って設定好きだ…
盲目少女×怪物って設定はさらに好きだ…