チチは走った何処に向かっているのかも分からず走っていた。いつもなら破られても何時もの事だと、そんなに怒らなかったが、今回は腹が立ってしまった。理由は分かってる。勿論約束を破られた事も起こってる。でも、一番悲しかったのは…忘れられていたこと…。自分だけ、舞い上がってどうせ期待なんてしても何もない。忘れてる。分かってたのに。どうしても目から溢れる涙が止まらない。
いつの間にか森に迷い込んでいた。日差しが体にあたり熱くて動きを止めると汗が滲み出てきた。
どこかで顔を洗いたい。川に向かった、川は案外すぐに見つかりしばらくそこで心を落ち着かせていた。