【ことうみ】
海未「全く穂乃果は……。しっかりしてください!」
穂乃果「エヘへ、ごめんごめん。海未ちゃん、今日だけコレ貸して?」
また穂乃果ちゃんだ。
今日は一体何を忘れたんだろう?
海未「仕方ないですね。今日だけですからね?」
穂乃果「わーっ! 海未ちゃんありがとう!」
そう言って海未ちゃんは穂乃果ちゃんに資料を渡して、穂乃果ちゃんは教室を飛び出した。
海未「ことり? どうしたのですか、ボーッとして」
ことり「あっ……ううん、何でもないよ! 今日もことりは元気です!」
にっこりといつもの笑顔を作ってみせる。
海未「そうですか。もうこんな時間ですし、一緒にお昼を食べませんか?」
ことり「え? ことりでいいの? 穂乃果ちゃんは?」
海未「穂乃果は生徒会の仕事です。さっき、「先に食べてて」って。さあ、中庭に行きましょう」
……また、穂乃果ちゃん。海未ちゃんはそんなに穂乃果ちゃんが好きなの?
もちろん、ことりだって穂乃果ちゃんの事は好きだけど……。
海未「ことりのお弁当はいつも美味しそうですね」
海未ちゃんが、ことりのお弁当に目を向ける。
ことり「エヘヘ、ありがとう♪海未ちゃんのお弁当も、和風で美味しそうだよね」
海未「え、そうですか?」
褒められて、海未ちゃんの頬が赤く染まる。
……可愛いなぁ。
穂乃果「海未ちゃ〜ん、ことりちゃ〜ん! お待たせ〜」
お昼のパンを持って、穂乃果ちゃんが走ってきた。
……もう少し、海未ちゃんとお話したかったのに……。
海未「穂乃果、またパンですか?栄養バランスを考えて食べないといけませんよ」
穂乃果「平気だよ〜♪ ね、ことりちゃん!」
ことり「う、うん……」
ことりは、こう言うのが精一杯でした。
嫌だ嫌だ嫌だ。
なんで海未ちゃんは穂乃果ちゃんの事ばかり気にするの?
どうして、ことりじゃないの?
ことり「……ごめんね。ちょっとお腹痛いから、保健室行ってくるね」
穂乃果「え? 大丈夫!? 一緒に行こうか?」
ことり「ううん、平気だよ。ありがとう」
そう言って、中庭を後にした。
続きます