養護教諭「とりあえずコレでお腹を暖めてね。ごめんね、これから出張で。辛くなったら職員室に行ってね」
ことり「はい」
そう言うと、先生は保健室を出ていった。
すると同時に、体温計がなった。
ことり「37.4か……。微熱っぽいなぁ」
微熱……あの曲を思い出しちゃうな。
ことり「こーとしの夏のにおい〜」
穂乃果ちゃんにばかり、優しい海未ちゃん。
ことり「いーつもとーは、違うみたい」
穂乃果ちゃんにばかり、厳しい海未ちゃん。
ことりだって、その優しさと厳しさが欲しいの。
留学の時だって、止めてくれたのは穂乃果ちゃん。
海未ちゃんは、ことりが留学しちゃっても良かったのかな?
分からないよ。海未ちゃんが。
海未ちゃんは、ことりが好きじゃないの?
穂乃果ちゃんはいいな。
海未ちゃんだけじゃない、ц'sのみんなからも好かれてる。
あの気難しいにこちゃんだって、穂乃果ちゃんの事、きっと好きだよ。
ことり「……こんな事考えたって、仕方ないのにね」
少しだけ笑ってみる。
でもその笑顔は、凄く醜いものだったと思う。
ことり「……もう嫌」
??「失礼しま〜す」
ん、この声は……希ちゃん?
希「あれ? 先生いないんかな?……あれ? ことりちゃん?」
隠れていたつもりだったのに、希ちゃんに見つかってしまった。
ことり「希ちゃん、具合悪いの? 先生なら出張に行っちゃったけど……」
希「いや、ちょっと……。あの授業はウチには合わないんや」
何か苦手な授業だったのかな?
ちょっとだけ笑っちゃった。
希「あとカードが、保健室に困ってる子がいるって、ウチに教えてくれたんや」
ことり「困ってる……子?」
ことりの事かな?
……どうしよ、希ちゃんに相談してみようかな。
希「ことりちゃん、何か困ってる事があったら、ウチに話してみ?」
ことり「……うん」
ことりは希ちゃんに話してみる事にした。
続きます