赤紫side
8月15日。
今は12時半くらいだ。
今日は、とても天気がいい。
俺は、彼女の音とブランコに乗って話をしている。
「それにしても、暑いね。病気になりそう。」
「ああ、そうだな。音は、暑いのに長袖なんて着なきゃいいのに。」
音は、白いワンピースに薄手の長袖のカーディガンを羽織っていた。
「だって、日差しがきついんだもの。肌が痛くなりそう。長袖でも、薄手だから、あんまし暑くないよ。」
「そうか。確かに今日は、日差しがきついもんな。でも、こんなに暑いのに、俺は長袖なんて着れないな。」
「そう。でも、まぁ。夏は嫌いだな。」
音は、猫をなでながらふてぶてしくつぶやいた。
「音は、猫が好きだな。」
「うん。かわいいし、いくらでも見ていられるよ。」
音は、微笑んだ。
猫もかわいいが、俺は、音の方がかわいいと思う。
「ニャー」
猫が音の膝から逃げてしまった。
「あ、待って。」
音は、猫を追いかけて道路に飛び込んでしまった。
そのとき、信号は赤に変わってしまった。