PRINCE OF STRIDE【プリンス・オブ・ストライド】夢小説

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3:アポロ◆A.:2016/02/10(水) 19:15 ID:eG2



私がぶつかったのは、ピリカのウェイトレス(?)のさくらちゃんだった。

そのあと、伊織ちゃんとさくらちゃんにハンカチ持った? と聞かれ、体をまさぐり、無いと答えれば、さくらちゃんからハンカチを貰った。入学祝いだって。

「それじゃ、二人とも。いってらっしゃい、マネージャー頑張ってね」
「奈々、時間や」

私達は学校へ向かう。青空のした、自然と私達は駆け出した。冷たい空気を吸い込んで、走る。
目に飛び込んでくる町並みも人も朝日を受けて輝いて見える。
今日から私達のストライドが始まるんだ!

ギリギリでバスに間に合った。っていうか、伊織ちゃん足が速い! 50mが……5秒だっけ? 身長も175cmあるし、イケメンだし。……は、関係無いか!
方南学園高等学校まではバス一本。だけど、飛び乗った車内には方南の制服が一人もいない。もしかして遅刻かも……。
なんだか心配になってきた……。伊織ちゃんは堂々としてるけど。

だから次の停留所で方南の制服の男の子が走ってくるのを見つけたときは嬉しかった。
でも、その子は運転手さんに乗りませんって感じで手を振ると、そのまま走っていってしまった。隣の伊織ちゃんが「俺も走りゃ良かったな」と聞こえてきたのは幻聴としておこう。





「急げよ新入生!」

角刈りの怖そうな先生の声に追いたてられてなんとか私達は校内に滑り込んだ。後ろからがらがらと音をたてて校門のゲートが閉められていく。
ほっと息をついたその時、閉まりかけた校門のゲートの向こうから、男の子が走って来るのが見えた。

「危ない!」
「あぶなっ」

もう、校門のゲートに男の子が通り抜けられる隙間はない。なのに、男の子は構わずに走ってくる。

男の子が飛んだ。

「えぇ〜っ!?」
「うおおっ!」

校門脇のフェンスと、植え込みから伸びた桜の木を交互に足かがみにして、背の高さぐらいのゲートをひらりと飛び越えた。信じられない。
伊織ちゃんがその男の子が着地したときに転けると踏んだのか、その男の子を横抱きにキャッチした。

「「セーフ!」」

その男の子は横抱きにされたことに気付いてないのか、両手を空につき出して伊織ちゃんと共に叫んでる。
絶対アウトだと思う、それ!
男の子は横抱きにされてることに気づくとわああ! と叫んで下ろしてもらっていた。
私もそこに駆け寄る。

「だ、大丈夫? あ、血が出てる」

男の子は葉っぱかなにかで手の甲を切っていた。


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