黒子のバスケホラー

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3:アポロ◆A.:2016/02/28(日) 10:11 ID:eG2



『こっちの名前は赤坂いおりや』



短く告げると、「歳は?」と高尾に聞かれ、「高3」と答える。ちなみに身長は176cmである。赤司より4cm高し。



「……赤坂さん、みんな体育館で集まっています、行きましょう。ここは危ない。
あと。偉そうにしてすいませんでした」
『気にすんなや……。
……? 赤司。危ないて、なん?』
「……出るんですよ、化けも『さぁ行こか。うん、ちゃっちゃと逝こ! なあたきゃおきゅん』
「ぶふぉっ、逝くって……漢字ちげぇっすよ! あとたきゃおって……ファーーーー!」
『うるっせぇな。……バケモンとか、あかんって。死ぬって。こっちが精神的に』
「そっちっすか!」



ぎゃいぎゃい言いながら三人で歩き出す。っていうか。



『高尾、お前なんでそないにびっしょぬれなん』
「えーっと、さっきなんかに襲われて……走って逃げてたらロッカーにぶつかって上にあったバケツの水被りました!」
『……』
「いやいおりさん哀れんだ目で距離取んのやめてくださいよ! これただの水ですから! とってもきれーな水ですから!」
『……』
「あ」



赤司がぴたりと立ち止まった。半泣き状態の高尾と共にそろりとそちらを見ると、ミイラ男がいました。
と言っても絵本で出てくる可愛い物ではなくて、所々見える肉体は腐り、ぼろぼろである。目玉は飛び出し掛け、歯は不揃い。
なんと言うか、気持ちが悪い。
あ、やっべ。足動かねぇわ。



「小原さん!」
「いおりさん!?」
『……あ、ははっ、はははっあかんって、マジあかんって。え、なんでこっちこないな所つれてこられたん? え、神様はこっちに死ね言うんか?
往生しまっせ』
「往生しないでください」
「いおりさああああん! ミイラ走ってきてるから! 早く!」



遥か後方、駆け出した高尾少年と赤司少年に叫ばれるが、こちとら動けへんですわ。あ、こっちもう死ぬん? あぁエエかも。

そしてミイラがとびかかって襲ってきたところで焦点が合う。あ、なにコイツキモッ!
こっちは瞬時に飛び起きて……



『ぎゃあああああああ!』



回し蹴りをお見舞いしておいた。
なにあれ。
絶望的にキモいキモいキモいキモい絶望的に汚い汚い汚い汚い汚い絶望的に臭い臭い臭い臭い臭い臭い!
3Zの3コンボだよ! ひとつ違うけど! ダンロンの江ノ島ちゃんじゃないけど3Zだよ! むくろちゃんじゃなくて、コイツを退場させてよ! 「ご期待に添えるように」!
一目散に駆け出すこっちは先を全力疾走する二人を追い抜いた。二人は目を見開く。



「ちょ、いおりさああああん! 速い速い!」
「……」



高尾が叫び、赤司が「負けない」と目に闘志を灯した所で二人のところまで逆戻りし、二人を両脇に抱え、ダッシュダッシュダーーーーッシュ!



「いおりさん力持ち! すげー! はえー!」
「俺達の体重は悠に100kgを越えた。小原さんはそれを……小原さん……」



たきゃおからは爛々とした目で見られ、赤司からは「どうなっているんだ」的な目で見られた。
そんなことは知らず、こっちが曲がり角を曲がると、人に出会った。

……あれは。



「日向さんと伊月さんじゃないっすかー!」
「どうも」
『クラッチタイムとイーグルアイ』



日向主将と伊月が居た。加速を停止して二人を降ろす。



「よ、よぉ……赤司、高尾」
「……お前ら、女の子に脇に抱えられて走られてたのか?」
「いやー、倒れてたので知り合いになって、そのあとミイラ男に追い掛けられてたら、いきなり脇に抱えられました」
「高尾に同じです」
『……夢中やったもんで。いやホンマあれはない。ないな。ないない。ミイラ男の体腐っとったがな。きっしょくわるい。
絶望的にキモい絶望的に汚い絶望的に臭い。3Z揃ってもーとったやん。あかんって。ははっはははっ』
「ぶふぉっ、いおりさん気をしっかり持って!」



なんか、高尾に肩を叩かれた。



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