ほの「…大変大変たいへ〜〜〜ん!」
うみ「どうしたんですか、穂乃果。」
ほの「cute❤cAtが…今度の学院祭でライブをやってくれることになったんだってー!」
うみ「…きゅぅと、きゃっと?」
部室では二人の生徒がはしゃいでいた。
…と言っても、一人は何だか着いて行けてない、そんな顔をしている。
ほの「えぇぇぇ、海未ちゃん知らないのーー?!」
海未があっけらかんと告げると、穂乃果は大げさに驚いた。
そのため、ドアを開けた絵理に激突した。
えり「…穂乃果、何してるの?」
穂乃果に向けて笑った絵理の後ろに、黒いオーラが立ち込める。
それは穂乃果にも十分伝わったようで、穂乃果は更に騒ぎ立てる。
ほの「えぇえええ、え、え、絵理ちゃんっ?!」
えり「ここは部室よ?真面目にできないなら出てってもらうしかないわね。」
そう言って絵理はドアを開ける。
スクールアイドルの活動が好きな穂乃果はこの手の言葉に弱い。
今日もいつも通り、穂乃果は静かに席に着いた。
にこ「はーい、来たわよー……」
ドアの開く音と少し低めの中性的な声が部室に響く。
その方向には残りのメンバー全員が揃っているが…
にこ「……」
えり「ちょっと希、にこってば機嫌悪いじゃない…」
のぞ「ウチが会った時からずっとこうでな〜…」
ほの「にこちゃんのことだし、構って欲しいんじゃない?」
にこ「ちょっとそこ!聞こえてるわよ!?」
えり「…はいにこ、何があったの?」
静まり返った部室で、みんなはにこを見つめる。
抵抗しても無駄、そう感じたにこは俯いて話し出した。
にこ「…この前、にこのところに音城学園の人が来たの。」
ーー彼女達はにこに、スクールアイドルをやめろ。
そう言った。だけどにこ達だって真剣に取り組んで、努力してステージに立ってる。
だからあんた達にどうこう言われたくない、そう言い返したにこ。
ーーーーーーーのぞ「その語尾いらんよ?」
ーーう、分かったわよ!そしたら、ライブバトルをやる事になったの。
話し終えたにこはため息をつく。
しかし、そんなにこをよそに、みんなは「やったーー!」と叫ぶ。
かよ「あ、あのcute❤cAtと、ライブバトル…?!」
りん「それってすごいにゃー!」
まき「伝説の歌姫と…」
ほの「やったね!あの人達に会えるんだっ!」
うみ「…そんなに凄いのですか?」
こと「えぇ〜海未ちゃん知らないの?今すごい話題なんだよ〜」
のぞ「それって凄いことやん♪」
えり「あのcute❤cAtと対決…でも…」
にこ「分かってないわね!ここの学院祭はあたし達によって人気になった!」
だん、と机を叩いて立ち上がったにこ。
いつもは見られない状況に視線が集まる。
にこ「沢山の人が見るの。負けたら、負けたら…人気が下がるかもしれないのよ?」
言ってて悔しいのか、にこの目からは涙が溢れる。
mVs(変換できなかった…)がダメと言っているわけではない。
ただ、彼女もcute❤cAtのファンの一員で。
ファンだからこそcute❤cAtの良さを知り尽くしている。
そのため、負けるのではないかと考えてしまっているのだ。
ネガティブ思考なにこに、喝を入れた者が一人。