ボカロオリジナル曲の小説書きま〜す♪

葉っぱ天国 > 二次創作 > スレ一覧
7:刹那:2016/03/29(火) 22:17 ID:Npc

最近は悲しいことばかりだ。はじめは時々悲しくなるくらいだった。テストで赤点とって補習だ、とか。課題の提出を忘れたから掃除だ、とか。でも、それが最近、毎日の様に悲しくなった。父はもう他界していて、兄は都会で人気バンドマン。母と二人暮らしの僕だったけど、その母は今、僕の隣で血を流してうずくまっている。不意に淋しくなった。理由も無く。顔を歪ませ、目を瞑る母を睨み付ける。
「この漢字、読める人〜」
黒板に大きく書かれた「夢」の文字。将来の夢をについての作文を書く前、先生はみんなに聞いた。当然、僕も手を挙げた。良い子くんだったから。指名されたのは僕じゃない他の子。堂々と立ち上がり、大きな声で答える姿は何故がその時の幼い僕にとっては輝いて見えた。先生は話した。
「夢に向かって突き進むのは決して簡単なことではないんだよ。例え、その道なりで転んだり、倒れたりしてしまった人を見つけても、決して笑ったり怒ったりしないこと。だってそれは、その人が進もうとした頑張りの証だから。それは君達があれこれ言えるものではないから」
と。僕の心にその言葉は大きく突き刺さった。もう、痛かった。どうしようもなく。その後、先生は黒板に「1+1」と書いて見せ、
「この式、解ける人〜」
と、聞いた。僕はもう手は挙げられなかった。「2」と指名された子は答えた。先生は褒める。先生は言った。
「1+1は当然、2だよね?でも、さっきも言った通り、夢を叶えるっていうのはとても難しいことなんだ。だから、無理に1+1=2にしなくても良いんだよ」
僕は訳が分からなかった。先生が何を言っているのかも分からなかったし、隣の席でその言葉に感心しているあの子の心境も分からなかった。先生はそんな僕に気付きもせず、続けた。


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