ナツルー短編 森の中で ナツルー未満かも
サワサワと揺れる木の葉の音。どこからか聞こえる微かな水のせせらぎ。
街のすぐ外にあるそこそこ広い森の中。
踏み固められた土が、小さな広場をつくる少し開けた場所。木漏れ日に照らされたそこは、暖かな空気に包まれていた。
艶やかな金髪を揺らした少女が、本を片手に現れる。
ここは最近の彼女のお気に入りの場所だった。
樹に寄りかかり、腰を下ろし、本を開く。
少女はひとり物語の世界へと思いを馳せる。
そのうちに陽気に当てられてか、少女はゆっくりと船をこぎ始めた。