鋼の錬金術師【緋炎蒼氷の錬金術師】

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2:アポロ◆A.:2016/05/29(日) 22:56 ID:ZJ6





イーストシティにて。大佐、ロイ・マスタングの執務室。
 そこに備え付けられているソファに一人の女が横になり、長身のせいか肘起きに頭を乗せていても足が反対の肘起きに掛けていて、アイマスクをつけて、代わりに眼鏡を上に掛けている。そのまま彼女はぐうぐうと寝息をたてながら寝ていた。傍らには日本刀らしきものが立て掛けてある。服装を見る限り、日本人だがこの国の軍人らしい。

 この部屋の主、ロイ・マスタングはそんな彼女を咎めるでもなく椅子に座って書類仕事をこなしている。時にちらちらと彼女を気にしているのは気のせいだろうか。

 そんなとき、割りと大きな扉が開いて金髪の一人の女が入ってきた。そしてアイマスクの女が寝ているのに気が付いて溜め息を吐く。中尉のリザ・ホークアイである。



「中佐はまたここで寝ていたんですね。マスタング大佐」
「ああ、ここのソファは寝心地が良いらしい」
「どこでも寝れている様な気がしますが……」



 ホークアイがそういうのも無理はない。以前仕事中に立ったまま寝ていたような人だ。ご丁寧にアイマスクをつけて。これで戦闘になると無双で敵無しとは世界はどうなっているのだろうか。
 仕事をさせようにも寝ている彼女を無理に起こすと国一個破壊しかねない。触らぬ神に祟りなしだ。

 不意に彼女が「ぐ……」と唸り声をあげて、錬成陣の書いてある手袋でアイマスクを外し、眼鏡を掛けた。どうやら目覚めたらしい。
 彼女は小原いおり、29歳と言う歳で中佐の位についているエリートである。彼女は身を起こし、「……ああ、ここロイん所か」と辺りを見渡してそう言った。
 大佐を呼び捨てにしたことにロイが「マスタング大佐だぞ」と付け加えるが『おいおい、同年代にそりゃ今更でぇ。いつからの付き合いだよ、ちいせえ事は気にしなさんな』とあくびをし、その短い髪の毛を雑に掻きながらロイを見た。
 そしてその傍らにリザの姿を見つけ、『おはよう中尉』と手をひらひらと振った。



「おはようございます中佐……と言ってももう昼前ですが」



 小原になついているリザは苦笑いしながらそう告げた。小原は腕時計を確認して『あ、』と短く声をあげる。



『仮眠のつもりだったんだがな』
「仮眠? いおり、昨日の夜何か仕事が入っていたのか?」
『あまり働かねえお前さんの仕事の残りさ』
「……大佐? どういうことですか?」
「待て中尉、誤解だ」
『何が誤解なんでえ。いっつもじゃねえかい。次はハボックに回してくんな』
「……私の未来の嫁が、私からの仕事を断っただと……」
『誰が未来の嫁でえ』



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