怪盗レッドのオリジナル小説書いてみます!(4)

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799:神出鬼没◆A. Simulata Deus:2016/07/14(木) 22:02

>>798続き

・・・

「ふん、強がっているみたいだがばればれだ。今のお前には2つの選択肢がある、俺に攻撃をするか、大人しく俺に捕まるか…どちらを選ぶ?」

「残念だけど私は、どちらも選ばない。強いて言うなら、3つ目の選択肢である逃走を選ぶわ!」

次の瞬間、飛鳥の手から水のような物が床に落ちると火柱が立ち上った
だがアーテルは、気にすることなく前に進みながら紅の剣を放つ
しかし、剣が貫いたのは壁と窓の外にある木のみ

「ちっ…逃したか」

とはいえ、まだ遠くに逃げていないはず
ふと、アーテルにとって心地良い香りを僅かだが漂うのを感じた
完熟した種類豊富な果物をドロドロになるまで煮込ませ、甘さに飽きないようにスパイシーな香辛料
を混ぜたかのような独特の香り
アーテルは、目をつぶり全神経を嗅覚に集中させる
人間を辞めているアーテルは、嗅覚も人間を超えているが犬程の嗅覚はないのだが、大体の位置までは理解できる

「どうやら怪盗レッドは、まだこの屋敷にいるのか…となると、あそこの部屋か…」

化け物は、歩み出す
仕留められるであろう場所へと



一方、ケイは少しだけパソコンから目を離して景色を見た
今宵の月は、真紅に染まっており妙に明るく美しくて不気味だ
確か、今日は三日月の筈なのにケイが見る月は満月
いろいろと引っ掛かるものを感じるが今は関係ない
ケイは、パソコンに目を戻したさっきから感じる異常な違和感の正体を知った

「まだ、30分しか経ってないのか…」

『ケイ、どうしたの?』

「いや…特にない。それより飛鳥、手は大丈夫か?」

『大丈夫!ちょっと、掠ったけどそれほどでもないよ』

「よかった…、飛鳥は計画通りしばらく休憩だ」

『わかった。あと、アーテルの能力の特徴を伝えておくね』


同じ時刻
真紅の月を見る白い生物兵器がいた
室内の電気をわざわざ薄暗くして楽しそうに見つめている
白い生物兵器のそばには複雑な機械で作られたのであろうカプセルに一人の少女が生まれたままの姿で眠っていた

「1ヶ月ぶりにこの"夜"を見たよ。この夜はどれぐらい続くかな?」

面白げにいう白い生物兵器の隣で返事をするかのようにカプセルの中の少女の口元から気泡が出た

とある豪邸
ベランダから同じく月を見つめる女性がいた
まるで飛鳥のような明るいオレンジのような短髪の髪を持ち、今宵の月に負けないぐらい真紅の瞳を持つ中性的な顔つきが特徴的だ
彼女の名前は、エスポワール
ディーオと言う組織の幹部であり、スヴェートの養子である
普段は、周りから舐められない為に男装をしているが寝るときは、一人の女性に戻る

「綺麗…」

エスポワールの口からはそんな言葉がこぼれた
月に魅入られた彼女の瞳は、別の光を宿しているようにも見える
彼女は、何故か今晩は眠れない
逆に、この月を見ていると何かに目覚めそうで興奮している
ふと、彼女の指先からパステルカラーの雷が小さく音を立てたような気がした


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