大人サクラと子サスケ(姉弟的な)
〜No side〜
サスケは焦っていた。
「あぁっもう!!何で額宛てがねぇーんだよ!!!」
引き出しやら布団の裏やらを荒し周り、やっと額宛てが見つかったサスケ。
「サースーケー!!!!」
サスケを振り向かせたのは透き通ったサクラの声だった。
「ああ!今行くよ!!」
バタバタと階段を降りたサスケ、の目の前に弁当を差し出すサクラ。
サスケは思わずサクラを見上げた。
「鞄に詰めちゃいな。」
サスケは頷いて鞄の中に詰めた。
「朝ごはん出来てるわよ。」
「いただきます。」
サスケは箸を手に取り食べ進めた。
「上で何やってたの?」
サクラは首をかしげる。
サスケはゴクンと麦茶を飲んで……
「額宛て探してた。」
「見つかったの?!」
ガタンとおもわず音を立てるサクラ。
サスケは平気だよと言い聞かせるような言い方で
「うん。」
と言った。
ホッとした表情をするサクラを見て顔を緩めるサスケ。
「今笑ったでしょ……」
サスケはハッとなりプイッと顔を背けた。
「い……///………いいや。」
そ、とだけ言って立ち上がるサクラ。
サスケは食器を台所に置き、鞄を手に取り玄関へ向かった。
「いってきます。」
サクラは洗濯カゴを持ち小さく手を振った。
「気を付けてねー」
サスケも手を振り返し家を後にした。
「手……振り返してくれたの…今日が初めてだな………。」
そう思ったサクラがいた。