俺は、調理場に着くと、今日の献立を決めた。
サトス様はすり潰したリンゴでいいだろうか?皆様には、ツナマヨのドリアにしよう。
あ、昼食終ったらウルビダ様の用事も済ませなくてはいけない。
「ふう〜、今日は一段と忙しいな」
俺は、そう呟いて料理を開始した。
作って2時間。
皆様が調理場に入って来た。
「今日もご苦労だったな、ノヴァ。ん?これはお前一人が作ったのか?」
「はい、あまり上手く出来ませんでしたが、皆様のお口に合うかどうかも」
デザーム様にそう言うと、後ろからイプシロンの方々が今日の昼食に目を輝かせた。
料理は気に入ってくれているが、味はどうだろう?少し心配する。
その後ろから、レーゼ様とジェミニストームの方々が入って来た、と言うか全ランクのが集まって来た。
「すっごいー!さすが、ノヴァ!」
「いえ、アイシー様が喜んで下さって嬉しいです」
「よくこの量を一人で作れたな」
「これくらい当たり前ですから」
皆様はそう言って、自分の料理を取って、自分の席に着いた。
俺は調理場から出て、サトス様の部屋に向かう。
一応、すり潰したリンゴを作ったが、食べてくれるか不安だ。
「サトス様、昼食をお持ちしました、ん?睡眠中でしたか・・・」
サトス様は睡眠中だった。
俺は机にすり潰したリンゴを置き、持っていたメモに食べれるならお食べ下さいと書いて、部屋を後にした。
そして、もう一度皆様が居る食堂に向かう。
その途中、咳き込んでしまった、いつもの事だから気にしてはいない。
「あれ?ノヴァ、何処行ってたんだッぽ?」
「あ、サトス様の部屋にすり潰したリンゴをお届けに」
「そうか、ありがとな。ノヴァ」
「いえ」
バーン様に褒められ、頭を下げる。
俺は思い切って、味はどうか聞くと、皆様は美味しいと笑顔で答えてくれた。
味に自信はなかったが、皆様に言われると光栄だ。
「ん?ノヴァは食べないのか?」
「はい、俺は自分の部屋で食べますから」
「え?!ここで食べないの!?」
レアン様に酷く驚かれ、俺は食事はもう自分の部屋に持って行っている事を伝えた。
皆様は少し不服そうな顔をされたが、見なかったことにした。
食事が終わると、皆様は食器を俺に預け、俺は食器洗いをする。
「皆様、綺麗に食べてくれて俺は嬉しいです」
俺は洗いながら、そう言った。
すると、誰かが調理場に入って来た、俺は振り返って見ると、バーン様が立っていた。
「何でしょうか?ん!」
いきなりバーン様のキスが来た。
これも慣れた、俺が何かいい事をしたらレーゼ様やデザーム様やガゼル様やグラン様がしてくるのだ。バーン様もその一人だ。
続く