「ルーシィ?」
「ど、どうしたんだよ…」
ギルドでは、不穏な空気が流れていた。
私は、こういう空気は嫌い、昔を思い出すから。でも…。
今回のこの空気を作った原因は明らかに私だった。
そりゃ、そうだろう…。
いきなり、評議員がきて、私の秘密をペラペラいうんだもん。だから、魔法で寝かせた。うるさかったし。
でもそれって、自業自得な気がしてならないんだよね。
「ルーシィ。今言ってたことは本当か」
「マスター…」
もう、意を決するしかないよね。
諦めるとはまた違うんだけど…。カミングアウトってやつ?
「はい、マスター。私は…ゼレフの子孫です。そしえ同時にメイビスの子孫でもあります」
皆の顔が凍る。
まぁ、あたりまえだろう。逆にこれで何も変化がなかったら悲しすぎる。
「ルーシィ。さっき言っていた序列の話も…」
エルザは唯一真正面から立ってくれる。
それは、どんな私でもしっかり見てるよって言われてるみたいで…。
いつの間にかなんだが出て、ずっと私を守っていた何かが落ち、ひもが解かれた。
真実を知ってしまわれたという恐怖と、もう何も隠さないで生きていいという実態が絶妙に混ざり合い、膝から崩れ落ち泣きべそをかいてるのが私だった。
「ごめんな、ルーシィ」
「…ナツ。なんで?」
わからない。ナツが謝る要素がない。
といゆうか、私がふつう謝らなきゃいけないのに…。
「俺、お前の気持ちに気づいてやれなかった。だからこんなに思いつめたんだよな」
「…」
ナツの優しさは私に勿体ないぐらい優しすぎて、せっかくかれた涙はまた流れ始めそうになった。
「なぁ、エルザとどっちが強いんだ?」
「え…そりゃあ」
「ルーシィに決まっているだろう?」
私が答えを出す前に行ってしまった。
ゆっくりと近づき、私を抱きしめる。いつものような固い感触は気にならなかった。
「ルーちゃん、なんで言ってくれなかったの?」
レビィが、今日初めて声を発した。
その声は、どこか怒っているように聞こえて、返答に困った。
「フェアリーテイルはそんなに簡単に壊れる絆じゃなかったんだよ!信じて…なかったの?」
気持ちが痛いほどわかる。私は…裏切ってしまった。
皆に迷惑をかけたくないから…そう思って言わなかったら、傷ついた仲間がいた。
私は結局自分が可愛かったことに気づいた。
「ごめんね、ごめんね…」
ただ謝ることしかできなくて…。でも、その気持ちはきちんと皆に伝わっていつしか私を囲む輪が出ていた。
「つまり、ルーシィがいればもう負けっこないって意味じゃない!」
「そうだね!」
そのことばはゆっくり、私に刺さり、涙はまったく枯れない。
「みろよルーシィ。こんなにお前さんには仲間がおるのじゃ」
「はい、マスター」
私は決めた。この、今まで邪魔でしょうがなかったこの力…。
仲間に使い、助けて見せる、と。
to be continued