最初はいつも通りイケメン眼鏡の巨乳女主のお話でグレイ落ち。多分中編か長編。
女の子は焔の滅悪魔道士。どこぞの大佐喋り。
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ルーシィside
『やあ、久しぶりだな火竜の』
今日はいつも通りにナツがグレイや他のみんなと乱闘騒ぎをしていた。いつも通りに騒いで、今日はエルザにナツがギルド入り口前ぐらいまでスッ飛ばされて。
そこでナツの頭を掴んでそう言った、毛先の跳ねた暗紅色の肩上までの短い髪に眼鏡をつけている、最東の島国の様な格好いい顔立ちをした女の子。その姿をナツが捉え、イオリ! と元気良く言葉を発する。
「久しぶりだなイオリ!!」
『ああそうだな、それと“さん”を付けたまえ、馬と鹿な単細胞。沈めるぞ』
「イオリ!! 喧嘩しようぜ! 久しぶりだしよ!」
『人の話を聞かないか、喧嘩は今度だ』
「えぇ……」
その眼鏡の女の人はいまだ掴んでいたナツの頭をそのまま後ろへ放り、ぽーんと投げてしまった。
そのままあたしの居るカウンターまで無表情で普通に歩いてくるんだから少し怖い。あたしと同じ右手の甲にギルドマークがあるから仲間なんだろうけど。
その人は歩きながらあたしの存在に気が付くと紳士的に微笑みあたしの隣へと腰を降ろす。
そのまま目の前のミラさんへと声を掛けている。
『久しぶりだなミラ』
「うん、久しぶりねイオリ」
『久しぶりついでだ、今日このあと一緒にランチでもどうだい?』
「私もう食べちゃったの、ゴメンね」
『そうか、それはとても残念だ』
その女の子、イオリと呼ばれた人は頬杖をついてミラさんと話を始めたかと思えば今度はあたしの方を見て微笑み、『新人かね?』とミラさんに視線を寄越さずに問うと「そうよ、可愛いでしょ?」と返答が返ってきた。それに微笑んで『そうだな』と同意したこの人はすごく格好いい。
『はじめまして、私はイオリ・フェルヴァスト、よろしく』
「ど、どうも……ルーシィ・ハートフィリアです」
『そう畏まらなくて構わんよ、気軽にイオリと呼んでくれたまえ』
そう言い、微笑んだのを最後にマスターを呼びつけ仕事の報告をしているイオリを見る。
あれ? さっきナツにさんを付けろとか言ってなかったっけ?
あたしが首をかしげているとミラさんが小声で教えてくれた。
「イオリは可愛い女の子には呼び捨てを許すのよ」
「へ、へぇ……」
イオリさん女の子好き疑惑浮上。
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