「小さな瓶は知っている」
1.運が悪い?
「ハックション、ハックション!」
私、今風邪をひいてる。
熱は、ないんだけどね。
でも、くしゃみと鼻水、咳が…。
花粉症みたい。
夏なのに、ね。
まあ、夏風邪だと思うよ。
その時、下からママの声がした。
「彩、小塚君から電話だけど。どうする?でる?」
小塚君から、電話っ?!
「ん、でる。今行くから。」
だって、kzの集合だと思ったから。
「ハックション、ハックション!」
ああ、もう嫌。
「か、変わりました、彩です!」
慌ていて、咳が出そうになったんだけど、余計な心配かけたくなかったから、
抑えた。
「あ、アーヤ?小塚だけど、あのね、今度の秀明の時kz会議だって。」
やっぱり…。
どうしよう、かな。
「内容は?」
また、事件を探すなんて言ったら、風邪だから、って言うことにした。
「ん…、よくわかんないけど、なんか夏休み特別企画とかなんとか、言ってたよ。」
な、夏休み特別企画ぅ?!
な、何じゃそりゃ…。
「何、それ。」
私が聞くと、小塚君が苦笑した。
「さあ、僕もわかんないけど、多分なんか思い付いたんだよ。」
そうだね。
「わかった、じゃあね。」
私はそう言って、電話を切った。
ああ、風邪だってことがばれなければいいけど。
切るね!