第2話
「輝夜姫・・・まさかお名前教えてしまったんですか!?」
ヒートは慌てた様子で言うと、輝夜はコクッと小さく頷いた。
その頷きにその場にいた者達は、大きな叫び声をあげ、ジェミニストームを呼んだ。
ジェミニストームは、上司の呼出の為、すぐに来ると自分達の上司の慌てようと輝夜を見て自分達が呼び出された理由が瞬時に分かった。
「グラン様、どうかなさいましたか?」
「うん、それがね。俺達のミスで、輝夜姫様が雷門に名前を教えちゃったんだ」
「大変じゃないですか!」
「そうなんだよ、だから雷門を早く潰してきてくれないかな?」
「了解しました」
「レーゼ君、これ」
輝夜はポケットから飴玉を一つ取り出して、ジェミニストーム一人一人に渡して行った。
その言動にレーゼは目を丸くして、輝夜と自分が持っている飴玉と交互に見た。
「え?!え!?」
「いつも頑張ってるから・・・疲れ?はよくないから」
「あ・・・ありがとうございます!!」
レーゼは頭を下げると、チームを引き連れて廊下の先に消えて行った。
「輝夜姫・・・チームの事ですが」
「あぁ、そうだったね。FWは3トップでグラン君とガゼル君とバーン君でいいよ。」
「「「俺/私がですか!?」」」
「MFは、わたくしにウルビダさんにヒート君にドロル君で。DFは、ボンバ君にゴッカ君にクィールさんにウィーズ君。GKはネロ君でお願いね」
「「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」」
〜輝夜の部屋を後にした子達〜
「にしても、輝夜姫って本当に感情がねぇのかよ?グラン」
バーンは輝夜に貰った飴玉を口に運びながらグランを見た。
「確かによく笑顔でいるけど・・・父さんの話じゃ感情はないらしいよ」
「輝夜姫か・・・まるで話に出て来るかぐや姫だな」
「そうですよね、でも、まあ容姿とか見たら本物のかぐや姫ですけどね」
ガゼルの問いにドロルは苦笑いを浮かべながらそう言った。
「輝夜姫って言い方、確か輝夜姫がお日さま園に入って来た時から言ってるよな」
「うん、輝夜姫を預かりに来た人が言ったのを俺達が真似したんじゃない?輝夜姫もあんまりそう言う呼び方
嫌がってるようにも見えるし」
グランはそう言って、先程来た道をチラッと見た。
「でも、いきなり外に出ていたとは思わなかった」
「それも名前も教えてるからな。輝夜姫なんて雷門の連中の前で言ったら、即ばれるぜ?」
「そうだな、今後は目を光らせて見ておかなくては」
「ウルビダって、輝夜姫が好きだね〜本当」
グランはそう言って、自分の部屋に戻って行った。
続く