第3話
「あれ?あれって、輝夜姫様じゃない!!」
レアンの声に話していたプロミネンスの子達は驚いた様に目を見開いた。
輝夜は自分の名前を呼ばれ、虚ろとした目をレアンに向けていた。
「え!?何で、輝夜姫様が!!いつもなら部屋に出てないのに!!」
「レアン・・・すっごい失礼な事言ってるわよ?」
「あ、すいません!」
「?気にしてないよ」
輝夜はレアンの所に行き、気にしてない様子でレアンに言った。
だが、輝夜は自分達の上司のせいか他の子達も必死に頭を下げていた。
「ですけど、どうしたんですか?バーン様なら先程お会いした筈ですけど・・・」
「誰かに呼ばれてる気がして、部屋から出ちゃったの」
「そうなんですか!ですが、外に出ちゃいけませんよ?バーン様達すっごい心配してたんですからね」
「うん、ありがとうボニトナさん」
輝夜はそう言って、来た道に戻ってしまった。
プロミネンスの皆は輝夜の様子がおかしい事に気が付き、呼び止めようとした時には、輝夜はもう居なかった。
全員は急いで輝夜の部屋に行くが、輝夜は部屋にも居なかったのだ。
「お・・・おい!これやばいだろ!!」
ネッパーがそう言うと、バーラは偶然通りかかった自分のキャプテンのバーンに輝夜が居なくなった事を話すと、バーンもまた顔を青くした。
「はあ!?お前等、目ぇ離してねぇんだよな!?」
「はい、帰って行くところもボニトナと私が見てたんで」
「一体いつ!!お前等、エイリア学園内全部探せ!!」
「「「「はい!!!!」」」」
〜北海道〜
「ん?あぁ、輝夜ちゃん」
吹雪は自分の教室に入って来た輝夜に声を掛けた。
輝夜は吹雪の姿を見かけて、少し嬉しそうな笑顔で吹雪に近づいた。
「吹雪、知り合いか?」
「ううん、昔、僕の家の隣に住んでいた女の子なんだ」
「そっか・・・。あれ?輝夜は?」
「あれ?輝夜ちゃん・・・さっきまでここに居たのに・・・」
円堂と吹雪は消えてしまった輝夜をキョロキョロと探すが、輝夜の姿は何処にも無かった。
その輝夜と言えば、ある山の一角に居た。
その後ろにはグラン、バーン、ガゼル三人が並んでいた。
「輝夜姫様、あまり外には出ない様に言いましたよ・・・。?輝夜姫様?」
「罪は消えぬものよのぉ、お主らもそう思うじゃろ?」
「は・・・はぁ(何だ、この殺気は)」
ガゼルは急に変わった輝夜の姿に違和感を覚えていた。
「さあ、罪ある者達に制裁を加えないとのぉ・・・」
輝夜は不敵な笑みを浮かべながら瞳を赤くしてそう言った。
続く