貴方と恋、始めました第1話笑わない彼女と恋、始めました(バーン視点)
俺はガゼル以上にムカつく奴がいる、そいつは俺達とガゼル達のマネージャーをしている。
そいつの名前はチームによっては違って、正直イラッて来る。
「コロナ〜!」
「あ、レアン」
俺達プロミネンスの場合はコロナって言われてる。
あんまし笑わねぇけど、レアンをはじめ俺のチームメイトは皆コロナと話す事も多い。
彼奴の本当のエイリアネームはアース、コスモスが率いるムーンアースの副キャプテンだ。
「またコロナと話さないの?バーン」
俺の幼馴染のヒートもコロナとよく話す一人だ。
「彼奴と話して何がいいんだよ?」
「最初は俺もそう思ったけど、案外良い子だよ?」
「それが嫌なんだよ!」
俺がそう言うと、ヒートはふぅ〜と小さな溜息を吐きながら肩を竦めた。
ほんと・・・何処がいいんだよ彼奴の・・・。
だけど、それが嘘の様に思えたのが今日の夜だった。
今日は午前練して昼寝しちまったせいか、眠くなかった。
(散歩するか・・・)
そう思い、ベッドから起き上がりジャージを羽織って自分の部屋を出た。
あぁ〜・・・さみぃ。
そう思うのだが、俺の足は屋上に向かう。
眠れない時は、俺はよく屋上に行く事が多い。
「やっぱさみぃ〜!「〜♪」ん?」
屋上が近くなって行くと、微かだが歌が聞こえた。
何だ?誰か歌ってんのか?俺はそう思って、屋上のドアをそっと開けて見ると、ジャージを着ているコロナが居た。
何してんだ?と思っていると、鳥の鳴き声も聞こえ、柵の方に目を向けると小鳥が何羽かコロナの近くに居た。
「・・・どうしたの?あ、バーン様」
「(こいつにバーン様って言われると、鳥肌が・・・)よお」
俺は鳥肌になった腕を擦りながら、コロナの方に近づいて行った。
月を見上げれば満月、少し雲が掛かっていた。
「何してんだ?」
「眠れないから・・・屋上で歌っていました」
「屋上つっても屋上に入れんのはキャプテンだけだぞ?」
「父さんに許可を貰っては時々・・・」
あぁ、その手があったか。
一人納得してしまう俺に恥ずかしさが込み上げる。
「それにしても、バーン様はどうして?」
「俺もたまたま眠れなかっただけだ」
「そうですか、バーン様って太陽ですね」
「はあ?」
「レアンがそう言ってました、慕われているんですね」
そりゃまあなと口にせず心の中だけで呟いた。
コロナの隣に行って、横顔をチラッと見た。
それと同時に月明かりはコロナの元に行く。
「!!」
「?どうしました」
「な・・・なんでもねぇよ!早く寝ろよ!」
やべ・・・胸がドキドキする。
月明かりに照らされたコロナの横顔はなんて言うか・・・神秘的だ。
美人だって事は分かってたが、あんな美人だなんて思わなかった・・・。
それ以来、少しだけコロナと喋って見ようと思った。
「なあ、コロナ」
「はい?」
いつもの様に練習の休憩中、コロナと喋って見た。
チームの皆にはすっげー珍しい目で見られた。
「その・・・屋上で何やってたんだ?」
「え?あぁ、眠れない時はよく歌ってるんです。部屋じゃコスモスが寝てますから」
後、こいつは同じマスターランクのムーンアースのキャプテンを務めているコスモスの姉だ。
と言うか、今日の俺はおかしいのかコロナの笑顔とか見たら胸がドキドキする。
だけど、これが恋なのだと気付くのはそう遠くないのだ。
続く