唐突に、思い出したのだ。先日、ヘドロ事件と言う事件があったと言う。その時の被害者、助けんとした無個性。
爆豪勝己、緑谷出久。
彼らが切っ掛けで思い出したのだ。彼らは紙面状の人物で、ここが『僕のヒーローアカデミア』と言う漫画の世界だと言うことを。
俺は、この世界に転生したのだと。まあ前世のことなんてほぼこの漫画のことしか覚えてないしいつ死んだのか何てわかるわけないしともう放置。
「どうした伊織?」
『あん?』
「何か考え事か」
『あー、そうかも知れねぇな、わっかんね』
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本日、雄英の試験当日である!
『マジあっつー間だったな』
思い出して10ヵ月なんてすぐだったし、勉強するしかなかったし。轟は推薦で先に受かったし。
現在はホールでプレゼントマイクの話を聞き終わり、会場に移動している。会場にて発見したのは爆豪のみ。やべーやべー爆豪なんか相手にしてる暇ねー。
確か、スタートと言われりゃすぐ動くんだっけか。
「ハイスタートー!!」
プレゼントマイクの合図と共に他を置き去りにして走り出す俺、と同時の爆豪。なんかギッと睨み付けられたが知らん顔して目の前に現れた二点の仮想ヴィランを指をならして発火させ空気を調節して焔を起こす。こんなもん政宗使うまでもねえ。
「てめえの個性は爆破かぁ!?」
隣でばごんばごんと手を爆破させる爆豪に『ちげえ』と遥か高いビルの屋上に一点ヴィランを発見しぱちんぱちんと指を鳴らして破壊する。恐らく同じ個性なら負けねえとか言うんだろうが、焔なんてサブだサブ。
『俺のメインはこっちだぜ!』
刀を無空間から取り出し足をダンと踏み込みズパッと二点ヴィランを真っ二つに斬り倒して連続で三点ヴィランを斬る。
振り向いてぽかんと唖然としてる爆豪を放置しただひたすらに仮想ヴィランを斬るか焼くかして点数を稼いだ。時々人を助けながら。
まあ、爆豪にはすげえ睨まれて敵視されたけど。
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