第1章の1話『絶望少女』
ジェネシスの負けでエイリア学園騒動は幕を閉じた。
ヒロト達も吉良がなぜこんな計画を立ててしまったと言う事を聞かされた。
そんな時だった、何処からかパチパチパチと拍手が鳴る。
「だ・・・誰だ!?ッ!!」
鬼瓦が後ろを振り返ったその瞬間、鬼瓦は倒れ伏した。
そこには仮面をつけた少女ルシファーが立っていたのだ。
「ルシファー・・・どうして!?」
「吉良星二郎失脚・・・、これよりマスターの命令で吉良星二郎及び吉良瞳子を排除。」
その言葉にヒロト達や円堂達は目を丸くし、吉良と瞳子を庇うように立ち塞がった。
ルシファーはめんどくさそうな欠伸をすると、何故そんなめんどくさい事をしたのかを聞いた。
ヒロトは自分の大切な父さんだからと円堂は勝利に導いてくれた監督だからとそう言った。
ルシファーは小さく呆れたと呟いて、パチンと指を鳴らした。
そこから出て来たのは傷だらけの今まで戦ってきたエイリア学園の者達だった。
「「!?」」
「この子達もそう言ってたけど・・・ルシファー呆れて本気出しちゃった」
ルシファーが欠伸をした時、ルシファーの仮面が取れたのだ。
足元を見れば、サッカーボール。
投げた方向を見ると、フラフラになりながらも立っているバーンが居た。
「てめー・・・ふざけた言葉ばっか抜かしてると、今度は顔狙うぞ・・・!」
「もう、酷い事するのね・・・。まあ、皆の絶望する顔見たいからいいけど・・・」
そう言って、ルシファーは髪留めを取りそのまま顔を上げた。
その顔を見たこの場に居た者達は息を飲んだ。
「「冷夏・・・」」
「やっと気が付いたんだ、やっぱりヒロト達も円堂達も偽善者だね。それと、冷夏の名前は雪華綺晶、ルシファーは偽名に決まってんじゃん」
雪華綺晶がそう言った時、地面が激しく揺れる。
「早く出た方が身の為かもね・・・マスターから帰還命令も出たし・・・。最後に偽善者の皆を蜂の巣にする為のプレゼントです」
雪華綺晶はそう言って足元にあったサッカーボールを出口の真上にある天井に向かって蹴り飛ばした。
その衝撃に天井は瓦礫となり、出口をふさぐ。
「それじゃあね、偽善者の皆」
雪華綺晶は小さく手を振り、陽炎みたいに揺れそして消えて行った。
続く