第1話黒猫の少女は何を見る?
「ついに始まったね」
白いスポットライトが、赤髪の逆立った少年が嬉しそうに言う。
「燃えて来たぜ」
赤いスポットライトに居る赤髪の少年もまた不敵な笑みを浮かべながらそう言う。
「君のその暑苦しい言い方や言動・・・どうにかできないのか?」
「何!?」
水色のスポットライトに居る銀髪の少年が、赤髪のした少年に喧嘩腰でそう言う。
赤髪の少年は、銀髪の少年を睨む。
だが、その喧嘩も猫の鳴き声で喧嘩は静まる。
「コア・・・君はやる気はあるのかい?」
銀髪の少年は困った様に暗闇の向こうに居る少女に向かって言い放った。
緑色のスポットライトに照らし出された少女は、棒付きキャンディーを噛み砕き三人の少年にこう言い放った。
「コアはやる気あるも〜ん。コアから見たら、グランとバーンとガゼルがやる気なさそうに見えるし・・・。ねえ?デビル」
「にゃ〜」
「「「何???」」」
少女コアは、飼い猫である黒猫のデビルに向かってそう言った。
デビルもそれに同意するかのように鳴き声を上げる。
三人はコアの言葉に眉を動かす。
「コア、あまり調子に乗らないでよ?特別扱いされてるからって」
「してないし」
「そう言うのをしてるって言うんだぜ?」
「それに君の実力は私達を超えている。自分がジェネシスになれると思うな」
三人の少年は冷たくコアに言い放った。
コアは別に調子に乗ってないと低めな声でそう呟き、デビルの頭を撫でた。
デビルはコアの傷の心を癒す様にコアの頬を一舐めした。
コアは嬉しそうにその行為を受けながら、三人にこう言い放った。
「コアはコアのやりたい方でジェネシスになる。コアは何処のチームにも所属してないなら、尚更ね。デビルは私の味方だし」
そう言うと、コアは面がすべて黒で包まれているボールで姿を眩ませた。
コアの姿が無くなると、三人の少年は大きな溜息を零した。
「全く、コアには困ったものだよ」
「まあ、これから敵になんだ。別に気にしねぇよ」
「そうだな、だが、コアの事だ。私達が気にしない以上コアの自由気ままな癖はどんどん酷くなる」
銀髪の少年がそう言うと、赤髪が逆立った少年はそうだねと言った。
「まあ、コアも俺達を嫌っている。コアの飼い猫のデビルもね・・・、けど、俺達もコアに負けてられないよ」
赤髪の逆立った少年がそう言うと、二人の少年は小さく笑みを浮かべ、スポットライトは消えた。
続く