第2話雪の舞姫降臨!〜ガゼル視点〜
新しい奴が来るとは聞いていた、やって来たのは見た事のない女の子だった容姿を例えるならば雪女だ。
これ本人目の前で言ってはいけないのだが・・・。
エイリア学園全員はお日さま園に住んでいたが、冬風雪菜は見た事がないし聞いた事も無い名前だ。
「君・・・お日さま園に住んでいたのか?」
「はい、ですけど・・・わたくし人間恐怖症なんです」
人間恐怖症・・・過去に何かあったのか?いや、それよりもお日さま園に住んでいたのか!?私の記憶を探るが雪女みたいに綺麗な女の子は見た事がない、私の考えを察したのか冬風はニコッと涼しい笑顔でこう説明してくれた。
「わたくし・・・あまり人と話したくないのでお日さま園では違う部屋で過ごしてたんです。知らない人の方が多いですよ。」
「そうか、一応私の本名も教えておこう。私の本名は涼野風介だ、少しずつでいいから仲良くしよう」
「はい」
「あぁ、言い忘れていたがプロミネンスとガイアも君の実力が見たいらしいからグラウンドに居る。」
プロミネンスと私が言えば、冬風の目がキラキラと輝いた。
どうしたんだ!と私が驚いて聞いてみると、プロミネンスに幼馴染が居ると言った。
幼馴染?私の頭の中にはバーンとヒートが浮かぶ、あの二人は幼馴染だからな。
それ以外に居たか、バーンとヒートみたいな幼馴染っぽい奴は・・・。
そう考えている時にグラウンドに着き、バーンとグランから文句を聞く羽目になった。
「君達の文句は後で聞くよ、で、紹介が遅れたな。この子が冬風雪菜だ」
「冬風雪菜と申します」
「これはご丁寧に・・・俺はグラン、ガイアのキャプテンだよ」
「俺はバーン、プロミネンスのキャプテンだ」
「はい、お二人のお話も聞いていますよ」
一体誰に聞いたんだ?私が怪訝な顔をした時、雪菜は少し驚いた表情をしたと思ったらすぐに笑顔に戻った。
「それじゃあ、冬風。実力を見させて貰って良いか?ベルガ、ゴールキーパーを頼むぞ」
「よろしくお願いします」
それにしても・・・父さんから貰った資料からでは彼女の異名は雪の舞姫と言われている。
一体どういう意味なのだろう?そう思った時、冬風がポジションに立つと同時に周りが雪景色に見えた。
「では・・・全力でやらせていただきますね。スノーブラスト!」
完全に球筋が読めない・・・、ベルガもそれが分かったのか気づいた時にはゴールネットにボールが突き刺さっていた。
「すげー・・・」
「終わりましたけど・・・怪我してませんか?」
「あ・・・あぁ」
「さすが、雪の舞姫の異名を持ってる雪菜だな!」
え?!私達が声のした方を見れば、ネッパー。
「フフ、夏彦さんに負けますよ。あ、此処ではネッパー・・・でしたね」
「え!?え!?おい、ネッパー!雪菜とどういう関係だよ!?」
「え?言ってませんでしたっけ?俺の幼馴染です」
私が雪菜を見れば、雪菜ははい!と元気よく言った。
その後、グラウンドに大きな叫び声が響き渡った。
そりゃそうなる・・・、幼馴染がまさかネッパーだとは誰も思っていなかっただろう。
続く