「…モリッチはさ、どうして烏間先生と同じ道を歩まずにスパイになったの?」
「…最初は興味本位だった。スパイとか、漫画でしか見たことないから。
だけど、スパイになって
私は光が照らす道を歩むお兄ちゃんとは違う
って思うようになっちゃって…」
俺は何てことを聞いてしまったんだろう。彼女は俺達と背負っているものが違い過ぎる。
せんせーを暗殺できたら、彼女は去ってしまうのだろうか
「あ、もう体育終わるね。行こ、カルマ君!」
「う、うん…」
これがもし普通の人なら手を伸ばしてくれただろう。でも、どうして彼女は伸ばしてくれないのだろうか。
「次なんだっけ?」
「数学だよ。俺の得意科目〜」
「げっ、私の苦手科目中の苦手科目!!」
「教えてあげよっか?隣の席だし」
「えー、寺坂脅してやらせればいいんだよ」
「納得〜。じゃあ次もサボろっか」
「そうしよう!寝よ寝よー!今日転校初日だから眠くって…」
「子供だね〜、モリッチは」
「カルマ君だって子供だし!同じ年ですぅー」
「精神年齢的な?」
「イラつく!!」