「満点は如月だけだ。みんな、如月を見習うんだぞ‼」
パチパチと教室に拍手が起こる。
俺、如月伸太郎は、天才だ。
テストは毎回100点。
代わり映えしない毎日を過ごしている。
「わぁ…‼シンタローはすごいね〜‼」
とアヤノが言う。
アヤノは、俺にバカみたいにたくさん話しかけてくるやつだ。
「アヤノ…。お前なぁ。どうやったらそんな点数取れるんだよ。」
と言いながら、俺はアヤノの答案用紙を指差す。
52点…
「あはは…。ちゃ、ちゃんと勉強してるんだけど…点数が上がらなくて…あっ‼」
アヤノは何か思いついたように大声を出した。
「シンタロー‼また、勉強教えてよ〜」
「はぁ⁉勉強ぐらい自分でやれよ」
「うぅ〜。冷たい…。あっ、折り鶴にしなきゃ‼」
アヤノは、毎回答案用紙で折り鶴を折ってる。
「次はいい点数とてますように。」っていう意味で折ってるらしい。
…羨ましい。君はいつも楽しそうだ。
俺なんか、楽しい事なんて一つもない___