【ナゾトキ姫は、知っている】
1 立花彩のモノローグ
KZと書いて、カッズと読む。
私の通う、秀明ゼミナールっていう、塾のカッコいいサッカーチーム。
体も鍛えないと受験に勝ち抜けないからという理由で、自分の塾の生徒達の中から希望者を集めて作ったの。
勉強もできて、スポーツもできるKZに、お母さん達も、お父さん達も、みんな夢中なの。
そのKZメンバーのうち、3人と私は、ひょんなことから、知り合いになった。
彼らの実態を知っていくうちに、私の憧れは、幻滅に変わり、もう最低にイヤなヤツらと思ったこともあった。
でも、そんな中から、本当に彼らの姿がだんだんと見えてきて、私は次第にみんなが好きになったの。
今、私と彼らは、アルバイトと称して、リサーチ事務所を作っている。
持ち込まれた事件を解決して、相談料を取るのよ。
私にとっては、これはとっても刺激的で、楽しいことなんだ。