「おいバンダナ、大丈夫か…」
「だ、大王様も…」
「…何とか皆、生きているようだな」
「そうだね…」
ズシン
「「「!?」」」
ズシン
「…な、なんの音だぁ…?」
「…まさか…」
クラウンの宝石が妖しく光を放つ
「マホロア…!?」
自身が王冠の形に変わり果てた巨大なマホロアの姿が咆哮をあげる
四人は驚いて咄嗟に動けなかった、そして
バシーン
「うわ!ウルトラソードが!!」
「アハハハハハハ!力ガマダ溢レテクル!マダ僕ハ戦エル!凄イゾ !」
「お、おい…冗談だろ…!?」
「マホロア…もう止めようよ!」
「ドウシタンダイ君達!ボクヲ倒したいンダロウ!?僕ハマダマダ動ケルゾ」
マホロアは異空間に向けて強大なレーザーを放出した
「い、一体何をする気なんでしょう…」
「サア!逃ゲ惑ウガイイ!アハハハハ!!!!」
カービィの足元に異空間の穴が出現する
「カービィ!」
メタナイトがカービィを突き飛ばして庇う
「うおあああっ!!」
「メタナイト!」
レーザーの威力に、力尽きたメタナイト
「わあああああ!」
「バンダナくん!」
別の異空間の穴から出たレーザーにやられたバンダナワドルディ
「てめえ…よくも俺様の大事な部下をやってくれたなぁ!許さねえぞ! !」
レーザー攻撃に当たってダメージを受けつつも、 怒りに力を奮うデデデ
「俺様の最大パワーのハンマーを食らいやがれ! おらおらおらおらおらぁあ!!!」
「グウゥウゥ…!痛イナァアアアアアアアアア!!オ返シニ君ニハコイツをプレゼントしてヤルヨォオオオオ!!」
左右から炎の龍が召喚されてデデデ大王に直撃
「ぐあっ…!!!」
黒焦げになりデデデ大王も戦闘不能
「デデデ!」
「残リハ、君ダケダネェ!カービィ」
両手の指で見えない壁を作り出す
「もう止めてよマホロア…ぼくきみとはこれ以上戦いたくないよ! 」
「ダッタラ君は何モセズニソコニ突っ立ッタママデ」
両手をクロスし星型の結界を出現させて、 壁ごとカービィに向けて放つ
ボクノタメに死ンデヨ
星型の結界に閉じ込められたカービィは、電流を浴びせられる
そしてカービィも動かなくなった
(…チガウ、こんなコトしたいんじゃナイ…!)
自分がしてしまった事とカービィに最後に言ってしまった言葉が自身の心を締め付ける
胸の痛みで呼吸困難に陥り、苦しさのあまり目を閉じる
(こんなオワリ、ボクは望んでナイヨ…!)
終わらせたくないか
(!)
先程と同じ台詞に同じトーンの悪夢の魔術師の声
嫌な予感がした 魔法か何かで封でもされたのか、何故か目が開けられない
(チガウ!ソウじゃないヨ!止めてヨ!)
ならば、お前の頭上の王冠に力を願うがいい
(もう止めてクレヨォ…!)
再びナイトメアの不気味な笑い声が響き渡る
視界が闇に閉じこめられたかのようで、 恐ろしさのあまりマホロアは懸命に目を開けようとした
悪夢がまた音を再生させて聴こえてくる
「おいバンダナ、大丈夫か…」
(逃ゲテ)
「だ、大王様も…」
(ハヤク逃ゲテ)
「…何とか皆、生きているようだな」
(ボクが皆を殺シテしまう前に)
「そうだね…」
(アァ、ダメだ…間に合わない)
「「「!?」」」
(イヤダ)
「…な、なんの音だぁ…?」
(イヤダヨォ…)
「…まさか…」
(ボクは…ナンデこんな王冠なんて望んでしまったんダロウ…!)
その時
勇ましい龍の雄叫びが場に響き渡る
意識は現実に連れ戻された
そこはハルカンドラ
外れない王冠、眠ったままの一体の赤き竜
その目の前で突っ立ったまま息を切らしている青の旅人
歯車は確実に嵌められていく
悲劇の観劇を望む者の手によって
青の旅人が
それが外す事の叶わないものと知るのは
実際に本番の舞台に立たされたと
思い知らされてからだった