ザァー…
雨が降っている。
雨が私の髪を濡らしていく。
傘もささずに、道で立ちすくむ私。
今日、家族に追い出された。
原因は、テストで学年一位をとれなかったこと。
私の両親はどちらも教師。
テストで学年二位だった私に腹が立ち、私を殴った挙げ句、追い出した。
もう何もかも終わりだと思った。
行くあてもないまま、立ちすくむ私。
精神的に疲れて、膝から崩れ落ちそうになった、その時。
スッ
「…え…?」
どしゃ降りだった雨が、急に止んだ気がした。
下を向いていた顔を上げると…
「慧…くん…」
そこには、昔からのお兄ちゃん的存在の慧くんがいた。
慧「…こんな所で何してるの?寒いでしょ?」
優しく微笑む慧くん。
慧くんが私を傘に入れてくれていた。
慧「何かあった?」
「っ…家族に…追い出された…」
慧「えっ…」
「私が学年一位とらなかったからっ…」
また泣き出す私をどうにか慰めようとする慧くん。
慧「そっか…とりあえず、俺ん家おいで」
そう言って、慧くんは私を家に連れてってくれた。