小「朝日先輩!」
とある朝、僕は小春ちゃんに呼び止められた。
朝「小春ちゃん!そんなに慌ててどうしたの?」
いつも静かで大人しい小春ちゃんが、珍しく慌てていたから、ちょっと珍しいものが見れたかも?
小「今日って、12月2日ですよね?」
朝「そうだっけ……?」
不安になったから、アイカツモバイルで確かめてみる。
朝「うん。あってるよ!」
小「よかった……。」
そう言うと、小春ちゃんはとある箱を僕にくれた。
朝「これは……?」
小「今日って、朝日先輩の誕生日ですよね?だから、私なりですけど、プレゼントです!」
朝「誕生日……?」
小「ちっ、違いましたか!?」
そういえば、そんな物もあったなぁ。
M4になってから、一日一日が忙しすぎてあっという間。
去年の4月にM4になったのが、ついさっきに感じるくらい。
朝「ううん。あってるよ!」
昔は、姉さんと真昼が祝ってくれたなぁ。
それぞれ、四つ星学園に来てからお互いのことなんか仕事でしか見なくなっちゃったから。
朝「でも、どうして僕に?」
小「実は、朝日先輩に何かお返しできたらな。と思っていたんです。だから、せめてこれくらいはって。」
お返し?
僕、なんか小春ちゃんにしてあげたっけ!?
もしそれがアレな内容だったら、また真昼に……!
小「この前の学園祭の時、実はとっても不安だったんです。」
朝「どうして?」
小「私はあくまでゆめちゃんの付き添いでしかなくて、お客さんが欲しいのはゆめちゃんが作ったたこ焼きだと思っていました。」
なんとなく、その感じはわかるかも。
入学した時はずっと同じレベルにいた友達が、家の都合で海外に行っていた間に自分の夢を叶えて、後輩からは憧れる存在になってるんだもんね。
しかも、その後輩は昔のゆめちゃんと同じ目で彼女を見ている。
ゆめちゃんが一年生だったら、きっと真っ先にひめちゃんのお店に行ってたもんね。
そこでひめちゃんじゃない誰かの作ったものを貰っても、全然喜ばないと思う。
小「でも、朝日先輩が私のたこ焼きを買ってくれて、美味しいって言ってくれました。それが、本当に嬉しくて……。だから、この分のお礼をしたいって思ってんです。」
朝「そんな!僕はただ小春ちゃんの作ってくれたたこ焼きが食べたかっただけだよ!」
小「違うんです!そう思ってくれる人が、きっと何人かいたはずなのに、私はゆめちゃんのおまけだからって思い込んでいて……。」
−−−行くわよ、朝日!
昔、僕は姉さんと同じステージに立ったことがある。
だけど、お客さんはずっと姉さんの事ばっかり見ていて、僕のことなんか全然。
だから、小春ちゃんのいいたいことが凄くわかる。