ー翌朝?ー
「……ミア、…ミリア、レミリア!」
「ん…?」
誰かの声で目が覚めた。視界が開けてくるとそこは私の寝室ではなかった。
「ここ…どこ…?」
青い空に大きな雲が流れ、辺り一面、色とりどりの花を咲かせている光景だった。
まるで____
お姉様と始めて遊んだ場所のようだった。
「おはよう、レミリア。」
声がした方を見ると逆光で目が眩みその人は見れなかった。でも、私はこの声を知っている。
「フフッ、レミリア、見えなくてもいいから私の話しをちゃんと聞いて。」
真剣さを孕んだ声音でそう私に言った。
「ここは、私の記憶の中。私が幻想郷で好きな場所。これは私の記憶だけれど、貴方がこれたのは運命。だから…私の封印を解いて。」
「え?封印?…解けば、お姉様に会える?」
「成功すれば会えるし、失敗すれば外の世界に私が飛ばされる。」
どうしたら成功するのだろう…
私は目を閉じてお姉様を見た。だけど靄がかかってはっきり見えない。
「レミリア、今、私が見えても何も始まらないよ。………私の【縛り】解いてくれる?」
答えは決まっている。NOって言う答えは私にはない。Yesしか私に答えはない。迷っていてもお姉様に会えるのであれば____
「やるわ。私がお姉様を解放してあげる。」
「ありがとう。私の言う言葉を詠唱して。」
“ヒイラギ、イバラ”
「ヒイラギ、イバラ」
“影と月”
「影と月」
「“開け…紅い扉”」
「私の名前を言って。」
最後に聞いたお姉様の声。私は叫んだ。
会いたい気持ちを胸に____
「目を覚まして!イリアーナお姉様!!」
最後に靄がかっていたお姉様の顔が見えた。とても綺麗な顔で私に笑いかけていた。
『ありがとう』
私はそこで意識を失った。