【Introduction[E]:A.D.2022】
2022年、外宇宙より飛来した10隻の巨大円盤の攻撃によって、地球は壊滅的な被害を被った。人類によって"プライマー"と名付けられた異星文明は、昆虫型の巨大生物や戦闘ロボット、そして巨体を持つ人種たる自らをも投じ、地球人類の抹殺を開始したのである。これに対し、地球は"全地球防衛機構軍"、"通称E.D.F."の戦力によってこれに対抗。優れた科学力と物量を有するプライマーに対して善戦するものの、絶対的な戦力差を前に力及ばず、各地で戦力を消耗し地球文明は消滅するかに見えた。だが、自体はただ一度の戦いと、ただ一人の兵士の存在により一変した。"ストーム1"。しがない民間人であった筈の者は、成り行きから武器を取り、戦地を駆け抜け……才能が開花したか経験が実ったか、その者はいつしか、"英雄"として知られる程の存在となっていた。そしてそれはプライマーにとってもまた同様であった。戦況が圧倒的優勢であるにも関わらず、プライマーは敢えて全ての司令塔たる"コマンドシップ"を地球へ降下させたのだ。恐らくは、ストーム1の確実な抹殺の為……そしてそれは愚行となった。多くの兵士が倒れ、残りわずかな戦力さえほぼ失ったE.D.F.……しかしストーム1は倒れなかった。その名の如き"嵐"となった、たった一人の兵士の猛攻の前にコマンドシップは爆沈した……。そして、コマンドシップより銀の巨人がストーム1の前に降り立つ。生物を超越した"神"、プライマーを統べる"かの者"。科学では理解し得ぬ超常の力を以て、"神"は"英雄"と対峙する……そして、"神"が討たれた。"かの者"を失ったプライマーは武器を捨て、その骸を抱え地球を去っていった。それは確かに、地球の勝利であった……。人口は1割までに割り込み、そして社会はほぼ失われた。辛勝と呼ぶにも重すぎる犠牲。それでもなお、地球は復興への道を歩みつつあった……。
【続】