<カントー地方>
レイが、自分の部屋でアローラ地方のことをタブレットなどで調べていた時のことだ。
レイの見ていたタブレットの画面が、テレビ電話画面に切り替わった。そこには『アローラ地方のククイ博士』と映し出されていた。レイは迷わず文字をタッチし、電話に応答する。
まず画面に映ったのは、斜めっているカメラを直すククイ博士の姿だった。
ククイ『あぁ、ちょっと待ってね……これでよし!』
ククイ博士はカメラを直すと改めて向き直る。
ククイ『やぁ、こんばんは……って、そっちはまだ昼くらいかな?』
レイ「はい、14時くらいです。」
ククイ『じゃあこんにちはだね!こんにちは!』
レイ「こんにちは!今日はどうしたんですか?」
ククイ『いやいや、君の引っ越しの日が近づいてきたね、って話をしようと思ってね。』
レイ「あはは…。まぁ、まだ3ヶ月程ありますけどね…。」
レイは苦笑いしながら言った。
ククイ『3ヶ月なんてあっという間に過ぎるよ。どうだい、アローラ地方での冒険は楽しみかい?』
レイ「はい、それはもちろん!どんなポケモンや人と出会えるか楽しみです!」
ククイ『カントーじゃ見れないポケモンもいるからね。それに人だって面白い人ばかりだよ、アローラは!』
それを聞いてレイはさらにアローラへのお想いを膨らます。
ククイ『おっと、まずい!もうこんな時間か。ごめんね、僕から掛けといて悪いけどこれから用事があるんだ。』
レイ「わかりました。じゃあ今度話すときはアローラで!」
ククイ『うん、そうしよう!じゃあ君が来るのを心待ちにしているよ!じゃあね!』
博士がそういうと、電話は切れた。
ママ「レイー!そろそろ引っ越しの準備を始めましょう!」
レイ「うん、わかった!」
ママから声が掛かったので、レイは自室からママのいるリビングへ向かった。
レイ(少し準備をしたら雑誌の続きを読もっと。)
レイは部屋を出る前に机に読んでいた雑誌を置いた。
雑誌は『エーテルパラダイスについて』というページが開かれていた。
その頃、エーテルパラダイスでは、ある騒動が起きていたことを、レイは後に知ることとなる。