「かはっ……!」
首を絞められているという事実は確かだが、苦しいというより痛かった。
ひどい圧迫感は、いやでも『死』を連想させる。視界の殆どを覆うそいつは、『絞める』ではなく『潰す』を意識しているようだった。
「ぐっ、……や、め……ぁあッ、ッ!」
事態に気づき始めた連中が、血相を変えて近寄ってくる。
「カ、カラ松兄さん……?」
「喧嘩!? 喧嘩っスか……!?」
「っ、おい。何してんだよ……?」
末と三男は困惑し、長男は止めようとした。だが、次男の溢れる殺気を止めるのは、長男でもとてもじゃないが無理だ。
「からっ、んんっ、まつ……! はな、せ、くる……し」
なんとなく視界はぼやけ、心なしか意識が朦朧としてきたように感じる。
「死、ぬ……から、ぁっ……!」
必死で腕を掴んだ瞬間、カラ松は手を離した。