ジガ-ZIGA-を二話目で打ち切ってみたシリーズ

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3:ブタオさん オイオイオイ二話目って言ったけど一話目だわコイツ:2018/04/12(木) 20:56 ID:Ugc

Part2-1:回天→玄武

"それ"は空を駆けていた。航空機ではない。あらゆる点において、常識的な航空機の特徴を逸脱した存在であった。直径は70m強、一見円形に思われた"それ"は凄まじい速度で回転しており、その回転を産み出しているのは"それ"の四端より放出されるジェット噴射様の熱気流である。これだけ非効率な推進にも関わらずその飛行速度はマッハ3に達し、スクランブル発進した航空自衛隊のF-35戦闘機を軽々尻目に日本領空を侵犯、巨大生命体の元へと一直線に飛行していった。円盤のごとき"それ"は一切の減速なく巨大生命体に直撃、不意を打たれた巨大生命体は、そのまま地面に叩き付けられ、無人となった町を震わせる。起き上がる巨大生命体……その体は、肩口から胸部までに達する生々しい断面を露にし、肩から腕部にかけてが重力に負けて徐々に捲れ、鶏肉を裂くように断面を広げていく。"円盤"がその端部を用い、回転と合わせてバズソーの如く力任せに切り裂いたのだ。しかし巨大生命体は力強い咆哮を一つあげれば、苦もなく、という風に背後へ抜けた"円盤"へと振り向く。"円盤"はジェット噴射を地面へ指向し、回転を止めてホバリングしていた。停止したそれは、古代の爬虫類アーケロンのごとき甲羅の形状を持っていた。甲羅はそのセグメントの一片一片に間接を持つように蠢き、刺々しい形状が次第に纏まった形となっていく。に甲羅の正中にあたる端部から、やはりアーケロンの如く顔が覗く。……小さな緑の双眸が巨大生命体を睨み、長い犬歯天へが聳える口元は何かを憎むように固く食い縛られている。そしてジェット噴射口から大樹のごとき四肢が伸び、推力を停止した"それ"は両足から着地した。着地の衝撃が粉塵を巻き上げ、近隣のビルから窓ガラスを砕け散らせ、着陸した"それ"を覆い隠す……程無くして、前傾姿勢だった"それ"が粉塵の中から半身を浮上させ、天を仰ぎ咆哮した。

ガメラ。後の研究で明らかとなる、守護神の名である。

→続【Part2-2】


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