アイドル系魔法少女目指して☆

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8:こもも◆/s:2018/06/26(火) 21:07 ID:FP6


宿題に行き詰まった私は、気晴らしに散歩することにした。
夕方の風って、冷たくて気持ちいいんだよね。
「うーん…………ん?」
視界の隅に、何かが映った。黒い影が空から落ちてきたような……。
思わず何かが落ちてきた方向を見ると、人が地面に寝そべっていた。
「え……。」
近くには、大きなイチョウの木。視界の隅を落ちていった黒い影……木の下に寝そべってるって事は……まさか!
「あの、大丈夫ですか!?」
「うー、ん……」
慌てて駆け寄ると、その人はゆっくりと上半身を起こした。頭を抑えながら、苦しげに唸っている。
そりゃそうだよね、あんな高い木の上から落ちたんだもん。それにしても、どうして木なんかに登ったのかな?危ないって分からなかったのかな。
この人、見た目的には私と同い年くらいだ。綺麗な黒髪を、ポニーテールに結んでいる。きりりとつり上がった瞳は、綺麗な水色の飴玉みたいだ。
もしかして外国の人?何か困ってたのかな。ここら辺は夕方になると人通りも少なくなるし、誰にも話し掛けられなくて困ってたのかも……。
「あ、Are you OK?」
この人が英語圏の国の人なのか分からないけど、英語くらいしかわからないから、とりあえず言ってみた。
「うーん、何とか大丈夫よ……。あなた、さっきはニホンゴだったじゃない。無理にエイゴを使わなくてもいいわ。私はどこの言葉でも分かるから、あなたが普段使っている言葉を使いなさい……あいたた」
「は、はあ……」
すごい、色んな国を旅してるのかな。
「とりあえず、人が通ってくれて良かったわ。ちょっと手伝ってくれない?」
「あ、はい、いいですよ」
急だなぁ。でもまあ、いっか。困ってるみたいだし、放っておけないよね。
「それで、私は何をすればいいんですか?」
私が尋ねると、その人は腕についていた砂を払いながら言った。
「紫色の石を、探してほしいの。」
「紫色の石……?」
「そ。ハートの形をしているの。手のひらに収まるサイズだけど、特別小さい訳じゃないからすぐ見つかると思うんだけど……。」
「分かりました、探しましょ。どこらへんで落としたか分かりませんか?」
「多分ここら辺だと思うの。飛べなくなって落ちたのがここだし……」
「ん?飛べなくなった?」
「んんっ、何でもないわ。きっとここらへんだと思うわ」
その人は咳払いをしてから言い直した。
「分かりました。暗くなる前に見付けた方がいいと思うし、探しましょう」
「ありがとう……」
私達は、紫色の石を探すために、地面に這いつくばった――って言うのは冗談で。この道付近を探し回った。


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