GODZILLA-Raging Giant-

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4:匿名:2018/07/31(火) 18:11 ID:kKQ

同じ頃、村の外でも動きがあった。
「はあっ……はあっ!ヤツは追ってきてるのか!?」
「いや、見えねえ!撒けたんじゃねえか?」
「何にせよあんな化け物と戦えるか!逃げるが勝ちよ!」
下っ端のトロル達が一目散に村を後にしている。見張りとして、村の出入り口を見張っていた別動隊であったが、黒コートの若者に蹴散らされ仲間を見捨てて逃げ出したのだ。幸い、若者が村人の救出を優先していたこともあり逃げるチャンスはあった。……だが、彼らの幸運は既に尽きていた。寿命が多少延びたに過ぎなかったのである。
「はあっ……この辺りまで……逃げれば……ん?ありゃなんだ?」
道中の森の中で立ち止まり呼吸を整えていると、トロルの一人が何かに気付いた。トロル一行が指差した先には、小さな人影が見える。身長は150cm程度、鍔広の大きな尖り帽子とローブは共に黒く、金の刺繍が施されている。赤い宝玉の付いた杖を携えたそれは、典型的な魔女の姿をした少女であった。
「ひぇ……い、いた……本当に来ちゃった……」
魔女はトロルの一団を見つければ、肩を竦め震える声で呟いた。そんな魔女の様子を見て、トロル達は揃って邪悪な笑みを浮かべた。
「ぐへへ、こりゃあいい土産だぜ。」
「あんな目にあったんだ、ちっとばかしいい目見てもいいよなぁ?ぐひゃひゃひゃひゃ!」
「い、嫌……来ないで……来ないでったら……!」
魔女は怯えて後退りつつも杖を突き出し、祈るように目を閉じる。トロル達はじりじりと距離を詰め、餓えた目付きをギョロつかせながら舌舐めずりする。
「へへへ……心配すんなよお嬢ちゃん、可愛がってやるからよぉ……!」
「きっとハマっちまうぜぇ〜?ひひひひひ!」
トロルが少女に触れようとした、その時であった。
「来ないでって……言ってるでしょぉっ!"フレアボール"ッ!」
トロルに向けられていた杖から、ごう、と音を立てて火球が放たれる。ほぼゼロ距離、外しっこない。
「ごああああっ!?……あ……ぁ……。」
「な……!こ、このガキぃっ!優しくしてりゃいい気になりやがって!」
火だるまとなり事切れていく仲間を見れば、先程までの剥き出しの情欲は引っ込めて棍棒を手に魔女を取り囲む。

【続】


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