キセキの世代2人目
私が大ちゃんと出会ったのは…
いや、出会ったっていうのは少し違う。なんせ、大ちゃんは私と征十郎と同じクラスだったのだから。
私と大ちゃんが仲良くなったのは席替えで隣になったのがきっかけである。
「征十郎やったわ!私、1番後ろの席よ!」
「そうか、よかったな」
「うん!」
入学式からしばらくしてようやくみんなが学校生活に慣れてき日、担任の提案で席替えすることになった。
そして運良く私は窓側から二番目の一番後ろの席になった。
隣誰かなとワクワクしながら席を移動させる。
「「あ」」
隣の席はなんとガングロくんだった。最初の席では私の斜め前で征十郎の前の席だったガングロくんだが、彼は征十郎と話すだけで私はそんなに話したことはなかった。
「よろしく」
「おう」
私たちの会話はそれで終わった 。
つまらないので征十郎はどこかな、と探すと教卓の真ん前で彼を見つけた
かわいそうな征十郎…哀れね…
なんて思っていると征十郎がこちらを振り向いて睨んできた。
え、何あの人怖い
*
2時間が始まって暫くしたらなんだか暇になってきた。以前の席なら授業中に板書する手を休ませたら、容赦無く隣の席からシャーペンやら消しゴムが飛んできた。
私はチラッとガングロくんを見る。ガングロくんはぼーっとしなが黒板を眺めている。
こいつは面白くないわ、と思い黒板をもう一度見ると、隣のガングロくんの席から紙をめくる音が聞こえてきた。
さっきまでぼーっとしてた奴が、ベタに教科書で隠しながらエロ本を読んでいた。
「何読んでんの?」
「堀北マイちゃんのグラビアこのおっぱいがいいんだよなー…」
「おっぱい…」
「お前、ぱっと見ねぇよな。胸」
「あァん!?」
「Aとかか?」
「うっさい!!」
「フゴッ!」
乙女の胸…心ににズケズケ入ってこられたので、思い切り足を踏んでやると彼が間抜けな声を出したので、先生に気づかれた。
「ちょっと青峰くん、春野さん、うるさいです!それに青峰くん、教科書で隠してもエロ本読んでるのバレバレです!没収します!!」
先生に注意されてしまった。私は恐いのでガングロくんの腕を軽く、軽ーくつねってやった。
何が恐いってそりゃ教卓の真ん前に座っている赤髪のお方に決まってる。私から見えるのは彼の後頭部だけなのに絶対怒っていると確信できる。
「あんたのせいでバレたじゃない…後で絶対征十郎に怒られる…」
「悪かったな、ほらお詫びにコレやるよ」
そう言って彼が渡してきたのは、まいう棒だった。
「わっ、ありがとう。ガングロくん!」
「おい、やめろよそれ」
お礼を言った後、まいう棒を受け取ろうと手を伸ばしたがガングロくんに頭を掴まれて阻止された。
「くれるんじゃないの?」
「俺の名前は青峰大輝だ」
なるぼどガングロくんっていうのが気に入らなかったのね
「まいう棒ちょうだい、大ちゃん」
「大ちゃん!?」
「うん。可愛いじゃない」
そう言うと大ちゃんは笑ってまいう棒をくれた。
それから私は征十郎と大ちゃんと一緒に行動するようになった。
ーーーー
「おいサクラ、青峰、なぜ怒られてるか分かってるよな?」
「「…授業中に騒いだからです」」
「そうだ。分かってるじゃないか。俺もあまり怒りたくない。反省しろよ」
「「はい…」」
授業後、めちゃくちゃ赤司に怒られた2人であった。