キセキの世代3人目
学校が終わってすぐに帰宅した私は早急に夕飯を食べて、ソファでくつろいでいた。
「サクラー、アイス食べたねぇか?」
「食べたい!」
「じゃ買ってこい。金は俺がだす。ついでに明日の俺とお前の昼メシもな」
社会人の兄にそう言われ、目を輝かせたのもつかの間、家にあるんじゃねぇのかよ!と怒鳴りたくなった。しかし、兄の恐ろしさについて知ってる私は黙って従うしかない。
私は歩いてコンビニに向かった
*
「どのアイスにしようかしら…」
アイスを選んでいたが、先にお菓子を買ってしまわないと溶けることに気がつき、お弁当コーナーへ向かった。
辺りを見回すとデザートコーナーに残り一つの新商品 白玉あんみつが残っていた。
「白玉あんみつ!」
大好きな白玉あんみつときたら買わずにはいられない。
白玉あんみつを手に入れようと手を伸ばす。しかしあと少しのところで横から掻っ攫われてしまった。
「っ誰よ!私の白玉あんみつを取ったやつは!しゃんなろー!!」
そう叫んで、白玉あんみつを持っている手をたどって行くと紫色の髪をした男までたどり着いた。
ってか、何こいつ…デカ過ぎ!!
なんと新商品 白玉あんみつを手にしたのは長身の男だった。
しかもこいつ帝光中の制服着てる
いくら長身の男で同じ中学とはいえ、私のまいう棒を奪った罪は重い。
キッと睨みつけてやると、私の視線に気づいた彼がこっちを見てきた。
「あらら〜…何でそんなに睨んでんの〜」
身体に似合わないおっとりとした喋り方にたいそうイライラする。
「それは私が最初に見つけた白玉あんみつよ!」
「え〜そうなの〜?あんたも甘いもの好き?」
「好きよ!特にその白玉あんみつは!」
「ふ〜ん、そっか〜…じゃあこれあげる」
渡さなかったら一発ぶん殴ってやろうとさえ思っていたのに、あさっさりと譲ってくれて拍子抜けした。
「いいの?」
「うん」
「ありがとう!あなた帝光の人よね?私も帝光一年の春野サクラっていうの!よろしくね!」
「へ〜サクラちんも帝光なんだ〜。俺は紫原敦〜」
「じゃあ、敦って呼ばさせてもらうわね」
急いでアイスと白玉あんみつ、兄と私の明日のお昼ご飯を買って会計を済ませたあと、なんやかんやで一緒に帰ることになった。
しばらく2人でお菓子談義していると、ふと疑問に思ったことを口にした。
「敦はこんな時間まで何してたの?」
「部活〜。で、赤ちん達と帰る途中に俺だけコンビニによった〜」
赤ちん!?誰よその人。変わったあだ名だなね
「ふーん…そうなの。あ、じゃあ私こっちだから」
そう言って私は自分の家のほうへの道を指差す。
「もう暗いし危ないから送る〜」
子供みたいな性格なのに意外と紳士なのね
「大丈夫よ」
「だめだめ。それにもっとお菓子の話したいし〜」
もしかしてそっちが本音?
「じゃあ送ってくれてありがとう。また学校で」
「うん!バイバイ!サクラちーん」
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「私に触ってんじゃないわよッ!!しゃーんなろーがぁぁああ!!!」
「「「ぎゃぁぁああああ」」」
「高校生三人を一発で倒すとか…サクラちん強すぎ…」