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3:なな:2018/09/22(土) 21:39 ID:OQo

すみません!!
早速、書き込みたいと思います!!

かちかちとゲームソフトの操作する音が室内に響き渡る。
高校三年生の夏。普通、受験生の二人は勉強をしないといけないが地元の推薦なのでそこらへんは楽でいい。
「天光ってまだ悩んでんのか?」
虎太郎が口を開く。雛に負けじと指を動かすが、雛に負けゲーム機をその場に置いた。
「うん。大学行くか、女優一本で行くか・・・。迷ってるって。」
天光 このはというのは、本名天光故乃葉。雛や虎太郎の友達で世界が注目する「実力派女優」だ。演技の腕前はもちろん。最近のドラマでは孤児や幽霊、13人の兄弟を育て上げるお姉ちゃん役など幅広くキャラクターを演じ分けている。バラエティーでは、滑らかな滑舌と完璧なコミュ力で老若男女の視聴者の心を鷲掴みにしている。そして最近では歌手活動も行っている。
透き通るような綺麗な歌声と、依存してしまいそうな不思議な音色を併せ持つ。
前にハリウッドでも取り上げられスケジュールは立て込み大忙しの女優なのだ。
だけど彼女も高校生。進路のことで悩んでいた。虎太郎や雛、ありさや柴けん、幸大と一緒の大学へ行きたいのだが、どうしても仕事はやってくる。仕事のために高校卒業後は、女優業に専念するという道も考えていた。
「天光ってなんで女優やってんだろうな。」
最近、虎太郎の口からは故乃葉のことばかり。友人として心配してるんだろうと思う反面もしかしたら今は故乃葉が好きなんじゃないかという不安が雛の心に積もっていた。
虎太郎から告白されたのは実質「高校2年の春」だ。
(その前にも曖昧な言葉が多数見受けられたが・・・・)
その日の前日、修学旅行で虎太郎が「好きな人はいますか?」と問いて来た。そのせいで今まで考えないようにしていた「虎太郎が私のこと好きなのかも・・・。」という不安とずっと好きだった「恋雪先輩」に対する思いに揺れ雛は「私好きな人がいるの。ずっと好きなの」と答えた。
それは多分今まで好きだった恋雪先輩の事だ。今まで恋雪先輩にフラれた時からずっと笑わせてくれた虎太郎の気持ちに応えられなかった自分を恨み雛はひっそりと涙を流していた。そして気まずくなった雛は虎太郎を避けていた。しかし体育館裏でうずくまっていた雛を見つけ出し隣に座ってこう言った。
「ずっと変わらないよ。誰かを好きでいても。やっぱり好きなんだ。大好きだこれからも!」
と言ってくれた。そして耳打ちで「待ってるからな!」といい、いつもの満面の笑みを浮かべた。そこからちょっとずつ虎太郎を意識するようになった。今も曖昧な関係で二人はいる。
雛もまだ虎太郎に対する気持ちは恋とは言い難かったが雛は一つだけ確認した。
「ねぇ。虎太郎。まだ私のこと好き?」
虎太郎は急に火傷したように耳まで真っ赤に赤く染めそっぽを向いた。雛は確信した。今はまだ実ってないこの気持ちもいつか実り虎太郎に対する思いができたら伝えよう。あの時のヒーローだった虎太郎のように。でも今はまだ・・・・。虎太郎に耳打ちをして言った。「いつか伝えるね。それまではまだ笑わせてくれる?いつだって」
虎太郎は真っ赤になりながら頷いた。雛も鼓動が鳴る。その日は蝉が鳴り響く暑い日だった。

雛×虎です!
意見、感想、よろしくお願いします!


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