第0章『終わりの始まり』
燃え盛る炎に狂うように殺し合う『神々』
叫び
殺し
発狂し
狂い
刺し
笑う
ここにいる者たちが狂っていく。
「エリス…エリス!」
悲痛の叫びが断末魔によって掻き消える。
白銀に輝く髪が熱風によって、靡く。
「ごめんな、レアン…もう…持ちそうに…ない…」
「喋るな!」
「ごめん、ごめんなぁ、」
金髪の少女が涙を流しながら白銀の青年を見上げる。紅い目が青年を映す。
照らすのは銀に輝く月。
それを包むのは闇。
「イリアーナを…よろしくね…」
「……!」
金髪の少女が目を閉じる。青年の腕の中には小さな命がひとつ。
「終わらせないと。」
青年は涙を流しながら、『イリアーナ』と呼ばれた赤ん坊を抱きしめる。
青年とイリアーナを発端に暖かな光が悲惨な光景を包む。
「能力発動。」
青年がそう呟き、その世界は作り替えられた。
そして、運命の歯車は動き出した。