キドSide
俺___木戸つぼみは、商店街に来ている。
今年こそ、自分の想いを伝えたい。
もちろん...カノにな。
それで、プレゼントを買おうと思ったのだが...
何を買えば良いのかが全くもって
分からない。
そこで、暇そうだったシンタローを
連れて来たのだ。
セトでも良かった...と言うか、
セトの方が良かったのだが、
マリーとちょうど出かけていて
居なかった。(なんでもイルミネーションを
見に行くのだとか。)
シンタローと商店街を歩いていると、
チョコレートなどが売ってあるお店が
目に入った。
「チョコレートでも良いんじゃないか?
プロポーズするわけでも無いんだし。」
と、シンタローが言った。
「お、良いな。」
そう言って俺は、チョコレートを選び始めた。
ようやく買って店を出る。
すると、反対側にジュエリーショップがあった。
俺は思わずお店の方へと歩いて行った。
「綺麗だな...。」
...本音が口に出てしまった。
「いつかカノから貰えるんじゃないか?」
「.....///」
本当にそうだといいんだがな。
もし明日、告白して振られてしまったら、
俺は正直立ち直れないだろう。
「も...もう帰るぞ。」
「キド、お前何か妄想してなかったか?
顔赤くなってるぞ?」
「なっ...」
...バレてたか。
カノの笑顔を思い浮かべると、ついついほおが緩んでしまう。それに、顔が熱い。
ああ。俺、本当にあいつのことが好きなんだな。
そう思いながら、俺とシンタローは
寒い夜道を歩いていた。