*** 来世は普通に、な。〜異常な愛し方〜 ***
#Kwon Soonyoung
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風が頬に触れて、少し痛さを感じる。今年も、寒い冬が訪れた。
学校で飼っていたウサギが逃げ出したらしい。
午後の授業はカットされ、ウサギを全員で探すことに。
俺は裏山に探しに行った。
「…いねぇじゃねぇかよ」
さすがに裏山までは来てないか。
学校に戻ろうとした瞬間、白ウサギを見つけた。
「あ、お前…ここにいたのかよ」
その白ウサギを抱こうとした時、ウサギが怪我をしてることに気付いた。
血が流れている。
その瞬間、今まで感じたことのない感覚に襲われた。
気が付けば、白ウサギは血で赤く染まった。
自分のしたことに、やっと気付いた。
「俺…このウサギを…っ…」
俺は、白ウサギを殺してしまった。
その時、自分の異常な性癖に気が付いた。
血を見ることで、快感を覚えてしまうらしい。
それから時が経ち、高校生から大学生になった。
大学生になった俺は、人を殺害することでさえも快感になっていた。
俺の容姿に惚れて寄ってくる女は沢山いた。
苦しそうに血を流す姿を見ると、“もっと血が見たい”という感覚に襲われる。
俺は、1人だけ女を殺してしまった。
そんな俺にも、今、好きな人がいる。
そいつを手に入れたい。そいつを愛したい。
いや、違う。きっと俺は、
「そいつの血が見たい」
ただそれだけ。
もちろん、彼女も俺に寄ってきた。
俺は彼女を家に連れてった。理由はただ1つ。
「…ちょっと痛いかもしれないけど我慢しろ、」
彼女を殺して、血を見る為に。
身体をカッターで切りつければ、部屋に響く苦しそうな声。
歪んだ表情すらも愛しくなる。
俺を止めるように、俺の腕を掴んだ。
「痛いよな、?あと少しだから」
カッターを置いて、首を絞める。
少しずつ目を閉じていく。
やがて、彼女の肌は冷たくなった。
あぁ、俺は…殺したんだ、彼女を。
俺は心から愛していた。彼女のことを、本気で。
でも、今の俺はこんな愛し方しか知らないから。
「来世は、普通に出会えて、普通に愛し合えたらいいな」
彼女が倒れてる横に寝転ぶ。
「なぁ、お前って…ウサギみたいだよな」
白くて綺麗な肌。
「…もしかして、あの時の白ウサギの生まれ変わり?」
笑いと同時に、涙が溢れてくる。
「俺、まだお前に“愛してる”って言えてない…っ…」
頬を撫でる。冷たい頬。
「…なぁ、俺決めたよ」
目を閉じる、綺麗な彼女を見つめて微笑む。
「愛してる」
その半年後、男が女を抱きしめるような形で、男女の遺体が発見された。
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*** 来世は普通に、な。〜異常な愛し方〜 ***
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