「当たり前でしょ?これ以上、彼の人生を台無しにしたくないもの…」
そう言って灰原は、博士が持って来た水を飲み目を閉じた。
「じ、じゃが哀君…本当に出来るのか?新一の耳を治す薬なんて…」博士は心配そうに灰原を見つめながら、そう言った。
「出来るに決まってるじゃない‼」
灰原はまたも大声を出した。
―どうやら、灰原は本気らしかった。
疲れている灰原を、博士は止める術もなかった。
その後、博士は灰原をそっと見つめる事しか出来ないと悟り、黙ってそっと地下室を後にした。