〜プロローグ〜
「ふわぁ…」
妙な違和感を感じながら、俺が起きるとそこは…
「…⁉」
見慣れない部屋だった。困惑しながら周りを見渡し、やっと昨夜のことを思い出す。
『…ほらな?だからさ、そういう訳。…なぁ、おいで?』
「…ッ」
何に向けたとも解らない軽い舌打ちの後、俺は着慣れない服に着替え、部屋を出た。周りは見慣れない物ばかりで、つい何時もの癖で耳を触る。そしてその動作をしてはならなかったと気付いたが、その時にはもう…
「…おい、お前?」
あぁ、1番マズい奴に捕まってしまった。咄嗟に言葉を返しかけるが、
「まぁまぁ、良いじゃん良いじゃん。初日じゃあ無理だって〜w」
先に庇って貰ってしまった。しかしこれでは…
「でも、ボス。昨夜貴方が仰った事でしょう?」
…やはりダメか。そう思ったが、
「…何ぃ?何かある訳〜?」
「…! …いいえ。貴方が構わないと仰るなら、私は良い、のです…」
…相手が完全に折れた。
というよりは、恐怖に固められ有無を言えない状態になってしまった。
俺はこれからの生活に、決して少なくない不安を感じた。