Act1/転送エラー
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ドゥームマリーンが目を覚ますと、そこは明らかに地獄ではなかった。あの血肉と炎とと岩がそこかしこに散らばり、アージャントの稲妻が飛び交う凄惨な光景は何処にもなく、小川のせせらぎと木漏れ日の麗しい、どこかの森の中にいた。
木の幹に腰掛け、ドゥームマリーンは何をするでもなくただぼんやりと小鳥のさえずりを聞き流していた。彼の行動理念はデーモンへの復讐……それと、なぜか存在する自身のフィギュア収集……にこそあり、それなくして自発的に何をする気にもならなかったのである。
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【続】