「そんな理由で、貴方は探偵を辞めたっていうの?!貴方が探偵を続けて、あの頃みたいに新聞に載ったりしたら、あの娘だって…あの娘だって何処かで、貴方を活躍を知って、喜んでくれるかもしれないじゃない!それに貴方、なりたいじゃなかったの?!平成のシャーロックホームズに…!」
―そうだ、オレは…
「なりたいだ、平成のシャーロックホームズにな‼」
あの時の気持ちが、平成のシャーロックホームズになりたいとキラキラした目で夢を語っていた、あの時の気持ちが…
戻ってきたような気がした。
「ボクは、大きくなったら、ホームズみたいな名探偵になりたいです」20年前、作文で将来の夢は゛ホームズみたいな名探偵 ゛になりたいと言っていた事も―同時に思いだした。
―だったら。
「なってやろうじゃないか、゛ホームズみたいな名探偵 ゛に!平成のシャーロックホームズに!日本警察の救世主に!」
オレはもう一度、高校生探偵になってやろうじゃないか。
今度こそ本当に、平成のシャーロックホームズになって
蘭に、オレの活躍をもう一度、喜んでもらうんだ。
「フフッ。それでこそ、私の知ってる工藤君ね。やっと帰ってきたわね、私の知ってる推理フェチさんが」
そう言ってニヤニヤ笑う灰原。この10年で灰原は、かなり表情豊かになった気がする。
―そんな事より。「お前の知ってる゛推理フェチさん゛が戻ってきたのはお前のお陰だよ。ありがとな、灰原…」
オレはそう言って、灰原の頭を撫でた。
「そのキラキラした蒼い瞳は、やっぱりそうでなきゃね。この10年間ずっと、腐ってたもの」
相変わらず可愛くない奴。それに…
「何なんだよ、腐ってたって!」
「あら、そのままの意味だけど?」
今日、再び工藤新一が戻ってきた。
―いや、違う。江戸川コナンとして、新しくなったのだ。