―その数日後。オレは10年ぶりに、事件現場に
立っていた。隣には灰原も。
胸がドクンと高鳴るのを感じた。―そう、これだ。
10年前の感覚が戻ってきたように思えた。
意気揚々と、事件に臨むオレを灰原がニコリと笑って
見ているのに、オレは気付かなかった。
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―そして事件は無事に解決した。別に難事件でも
怪奇連続殺人事件でも無かったが、久しぶりの
事件解決は凄く楽しかった。―オレにはやっぱり
探偵が合っている。「お疲れ様、名探偵さん」
灰原がそう言って、冷たいスポーツドリンクを手渡す。
「サンキュ」オレは受け取った。
―そこに目暮警部が現れた。「いやーコナン君、凄いじゃないか!まるで、工藤君を見ているようだったよ!」
感動した様子で、目暮警部がそう言った。
まぁ、ご本人様だからな。苦笑いを堪え、オレは
こう言った。まるで、10年前のように。
「また難事件があれば、この名探偵工藤新一…じゃなかった、江戸川コナンにご依頼を‼」と。