「呼び捨てで呼んで!」by京園
園子「―ねぇ、真さーん」
京極「自分に何か用ですか、園子さん?」
京極は園子の顔を覗きこんで、問う。
園子「その、園子さんっていうの。何か気に入らないのよねー」
ジト目で京極を睨み、そう言った園子。
どこまでも天然な京極は―
京極「?鈴木さんと、名字で呼んだ方がよろしいですか…?」
そう言った京極に園子は、ハァと大きな溜め息をつく。
園子「そうじゃなくて!園子って呼び捨てで呼んで!」
上目遣いで京極を見てくる。
京極「…そ、それは無礼というか、何というか―」
園子「私が許してるんだから、良いでしょ。それとも、何?私を呼び捨てで呼び捨てで呼べない理由でもあるの?」
京極「そ、そういう訳ではないのですが―」
照れながらしりごみする京極。
こんなウブな男が400戦無敗の最強の空手家なのだから
世の中分からないものだ。
園子「真さんの方が歳上なんだから、大丈夫よ!ホラ、練習、練習!」
京極「そ、園子…」
と、言いかけたところまでは順調だったが―
京極「……さん」
小声でそう付け足してしまう。
園子「ちょっと〜!頑張ってよ〜」
京極「やはり自分には出来ません…」
塞ぎこむ京極。やはり照れてしまい、呼び捨てに
出来ないらしい―。
園子「…ま、いっか。真さんらしいや!―でも諦めた訳じゃないからね!いつかはちゃんと、呼び捨てにしてもらうから!」
そう言って、京極を抱き締める園子。
恥ずかしがって呼び捨てすら出来ないところも
愛しているのだ。
園子「真、大好きだよ!―えへへ、真さんが私の事呼び捨てで呼ばないから、私が呼んじゃった!」
京極「…///」
園子(―ってか、呼び捨てって意外と恥ずかしいのね…//)
♥おしまい♥